04 登録
いやマジ美味かった。
料理上手だね、イオちゃん。
良いお嫁さんになれるよ。
おっと、今ってそういうのって、セクハラになるんだっけ。
「今の私の立ち位置は、アマツさんの嫁、という存在に近しいかと」
マジっすか、なんかうれしいね。
でもごめんね、こんなアレなダンナで。
「いいえ、ポイント消費の時点で、私はアマツさんの所有物ですので」
「つまりは、嫁と言うよりは、本当は奴隷に近しいかと」
そういう悲しいこと言わないでよ。
嫁が嫌なら、パートナーってことで、どう?
「パートナーより嫁を希望します」
うれしいね、でも、そんなこと言ってると、本当に夫婦しちゃうよ、夜とか。
「夜に限らず、お好きな時に、どうぞ」
「それが嫁の務めかと」
マジっすか!
本当にいただきますしちゃって、いいの?
「出来れば優しくお願いします」
では、いただきますっ。
ーーー
イオちゃん、マジ天使!
ごめんね、頑張り過ぎちゃって。
「いえ、優しくしていただけて、うれしいです」
本当可愛いね、イオちゃんは。
このままここでふたりっきりでも全然良いんだけど、
そろそろ先に進もうか。
でもなあ、ここも結構好きなんだけどな。
イオちゃんとの初めての場所だしさ。
「『転移』先として登録しますか」
おっと『転移』ってことは、瞬間移動的なアレ?
「登録した場所なら、自在に『転移』にて移動可能です」
うん、登録お願い。
この先いろんなとこに行くと思うけど、冒険に疲れたら、ここに戻って来てゆっくり休もうよ。
「登録名"初めての場所"で登録しました」
なんだか聞くたびにアノ時のこと思い出しちゃいそうな名前だね。
「恥ずかしいので登録名変更の許可を願います」
やだ、却下。
これからもずっと忘れないように、その名前で確定。
「アマツさんはいじわるだと理解」
はい、いじわるでえっちなダンナですよ。
これからもずっとそうだから、覚悟してね。
「残念ながら、アマツさんと私とでは寿命が違うので、ずっとは無理です」
あーそっか、でもこういう世界だし、寿命を延ばす方法とかありそうだよね。
「はい、複数存在します」
よし、じゃあ冒険の目的は、俺がイオちゃんと同じくらいに不老不死になること。
「了解です、極力最短ルートとなるよう、ナビゲートします」
はい、よろしくね。
でも、楽しそうなところにはバンバン寄り道して、ふたりでいろんな冒険したいな。
「了解です、冒険を楽しみつつ不老不死を目指すルート、ですね」
「では『洗浄』で身を清めたら、出発します」