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ナンバーズ

小話投稿用の、pixivアカウントを作りました。

https://www.pixiv.net/users/87809112

「向こうなら多分一つで六百はするし、こっちは物価とか色々安いのかな?」


「そうかも知れませんね。その辺りは神からの情報には含まれていませんでしたので、後々詳しく調べて見ましょうか?」


「ああ、一緒にね――――――あ?」



 武具商店へ向かう道中の秋臥と香菜―――たわいない雑談の最中、秋臥が何かに気づいた。

 上空より、何かが飛来する。



「下がってっ!」



 二人が後退すると、即座に氷の壁を形成―――そして、一瞬で砕け散る。



「おうおう、冷てェじゃねえか?!」



 氷礫の舞い散る土埃の中、飛来した男が言った。



「オメエだな? 捕獲対象巴山香菜ってのはよぉ?!」


「………………アンタ、誰だ」



 香菜を背に庇い、秋臥が問う。

 土埃が晴れる―――金髪で、獣の耳を持つ男。


 眼光は肉食獣の様で、嗜虐的な笑みが染みついた口には鋭い牙が見えている―――獣人である。



「ナンバーズ、ライオット・レザー。よろしくッ!」



 言うと同時に男―――ライオットの姿が消える。

 そして、バチバチと背後で何かが弾ける音が鳴るのも同時であった。



「まずはテメェからだ、くたばれッ!」


「電気っ…………!?」



 紫雷であった―――ソレを脚に纏わりつかせた状態でのライオットの蹴りは、まるで流星のよう。


 秋臥の顔面を、強く蹴り抜いた。



「やるじゃねえか、面白れェ!」


「ッ………………」



 瞬時に氷で足場を形成、ソレを蹴って体を回転させてダメージを最小限に抑えた上で、直撃面には氷の盾を生成。


 それら全てを相乗した上で、僅かながら秋臥は蹴り飛ばされた。

 氷の盾がまるで意味を成していない。



「香菜っ!」


折重( おりえ)―――っ!」



 即座に息を合わせ、香菜が魔法を発動。

 七重にまで重ねられた鋼糸でライオットの四肢を締め付け拘束。

 一瞬で蹴飛ばされた間を詰めた秋臥は全身に魔力を流し、未だ慣れぬ身体強化を―――氷で大剣を生成して大振り一閃。



「今度は緩りぃ…………」

 


 またも弾ける音―――通電、電撃が巡る。



「これは何事で?」


「んぁ?」



 呆けた声と、銃声五つ―――その放ち手は、人にしては長い耳をしていた。


 電撃は中断―――香菜と秋臥まで届くはずだったソレは、自身を捉える鋼糸を焼き切るのみ。

 だが自由となったその身は五つの銃弾全てを回避。

 今度はライオットが移動する事で、二人から大きく間を開いた。



「もしかして私、ナイスタイミングでしたかね?」



 そう言ったのは、銀のマスケット銃を持ったリーニャ。

 エルフでありラクルスの護衛であり銃手の、リーニャであった。



「そこの獣人、引きなさいっ! 今なら私が逃亡を許しましょうっ!」


「引くだぁ? 俺としちゃあ敵が増えて丁度いいってもん――――――」



 言葉を遮るように、一発。

 それを易々と弾いたライオットの手は、確かに出血を。


 僅かに、眉を顰める。



「もう一度言います、引きなさいっ! 今ならば()()()()、特別に逃亡を許しましょうっ!」


「………………仕方ねぇ、今回はノってやる」



 一つ舌打ちをすると、ライオットは再度脚に紫雷を。

 身を翻すと、秋臥達に背を向けた状態で一っ飛び―――瞬時に、目に見えぬ程遠方へと消えて行った。



「これで良しですねっ! お二人方、怪我はございませんかっ?!」


「ええっ…………助かりました、ありがとうございます」



 秋臥は軽傷、香菜は無傷。

 リーニャの到着が送ればその限りではなかったものの、今は口に出さぬ自責のみで反省を済ませた秋臥は、事態の確認に努める。



「あの男はお知り合いでっ?」


「いえ、ただナンバーズだと自分で。確か名は…………」


「ライオット・レザー、ですよね?」



 聞いたは良いものの、覚えていなかった秋臥に代わり香菜が言う。

 ソレを聞いて、リーニャは少し悩むような素振り。

 それから、閃いたと言わんばかりに指をパチンと鳴らした。



「No.3の幹部ですねっ! 奴でしたか…………逃すべきではありませんでしたね」



 言うと、銀のマスケット銃をライオットの飛んでいった方向へ構える。

 それから僅かに上方修正―――弾倉に多量を込め、引き金を三度引いた。


 先程の発砲音とは違い、グレネードランチャーを撃ち出すような低く篭った音。


 どこに当たるわけでもなく、目に見えぬ距離まで遠く遠く飛んで行った。



「速度と魔力残滓からこの辺りだとは思うのですが…………当たると良いですねっ」



 当たるわけがない。

 そう思う二人であったが、あえて口に出す事はない―――この世界で自分達の常識は通用しない。

 それを、既に何度も目視しているからだ。


 ましてや、リーニャはエルフ。

 別世界どうこうの前に、人間としての常識が適応されるかも怪しいのだ。

 体の作りが違う。



「まあ、過ぎたものは良いでしょう―――それよりもお二人、至急ラクルス様がお呼びですのでご同行願いたいのですが、今お暇で?」

 

読んでくださりありがとうございます!

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(更新状況とか)

@QkVI9tm2r3NG9we(作者Twitter)


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