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異世界転生したらそこは同性愛者国家で、嫉妬に殺されそうになりましたが生きて少しでも異世界っぽい生活を送ります!

作者: 小嵩 名雪

設定がばがばです。

創作で漫画を描く為のプロットを文字に書き起こしました。

いつか漫画版描いてるかも?

ノリです。ノリで書ききってます。続きは今のところありません。

――ここはどこ…?


意識が朦朧とする中、ようやく目を開けられた。

そうして視界に入ってきたのは、見知らぬ天井。

そして体を起こそうとしても叶わず、自身に何が起きているのか把握できないでいると、見知らぬ人物が近づいてきた。


「あらあら、もう起きてしまったのですね~よしよし。いい子ですからもうひと眠りしましょうね~」


…何この人?メイド服?何かの撮影??


「あぅあ~ぅ」

――あなた誰よ!


「あらあら~可愛らしいですねぇ~フフ。きっと奥様似でしょうか?旦那様似でもいいとは思いますけど…これからが楽しみですね~」


メイドは微笑みながら私を再びベッド?らしき所におろした。


「あぅ~」

――なんなのよ~

なんで言葉も発せられないのよ~!!


もどかしい…っとふとそのメイドの瞳に映る自分を見た。

そこには金髪で薄い緑色の瞳をした赤ん坊の姿が映っていた。

…そう“赤ん坊”の姿が…


――嘘でしょ…!?


やっと手を動かせ、その手をみると…


――なにこの小さい手~~~!!!!


自分がまごうことなき赤ん坊になっている事の現実を知った。


「あぅあ~~!!!!」


これがこの世界での初めての記憶。



柊琴乃ひいらぎことの、女、18歳。

日本という国に生まれた。

家族構成は父・母・兄・妹の五人家族だ。

家族仲が悪いかと問われれば、別に悪くない方だと答えるしかない。

普通の家庭で普通の容姿、お金持ちでもなければ美男美女の家庭というわけでもない。

だけど生きるには事欠かなかった普通の家庭。


だけど突然、琴乃としての生が終わる。

交通事故、不運な事故だ。


――…なはずなんだけど…


現在はエルシャ・フォン・アウグスタ伯爵令嬢。

それが今世での私の名前だ。

貴族社会がある時代。

そして容姿は金髪、緑の瞳、前世の記憶からと周りの反応から美少女であるのは確かだ。


そんな前世?の記憶を持って赤ん坊として目覚めて早16年。

そう。あれから16年の月日が流れた。


いやまぁ。赤ん坊に転生?え?ナニコレ漫画とかで流行の異世界転生ってやつ?

悪役令嬢とかそうゆうやつ?

…て昔はすごく期待したし、嬉しかったんだけど…


この世界はいわゆる異世界。

種族は人種、亜人、魔族…と色々存在し、国も存在する。

そして今いる国は王都が魔族領と隣接していて、危険…かと思いきや、魔族と不仲なわけではないらしく、かと言って仲が良いわけではないらしいが、戦争はない。

西の城壁を超えた先の森がすでに魔族領となっていて、一般人の侵入は禁止になっている。

ただ全く交流がないわけでもなく、許可を得た一部の人間や国との式典の際に王族達が行き来している。

もちろん魔族達も同じで、持ちつ持たれつの関係。


――まぁ…実際見たことないんですけどね…


さて、私はこの世界の事を十分理解し、勉強もした。

立派な令嬢にもなった…しかし昔から受け入れがたい事が一つある。

いや…寧ろこの案件のせいで、異世界転生…全く嬉しくない。

こんな事なら潔く殺してくれてよかったと、私をこの世界に転生させた(…と勝手に思っている)神様を恨んでいる。

なにを隠そう…この世界…いや。人族は…


同性愛者国家なんだよぉぉぉぉぉぉぉ~~~!


いや、否定してるわけではないよ?

いやいいじゃん。人の考えなんてそれぞれなんだし。

別に、差別なんてしてないよ?いやほんとマジで…

だけどさぁ~


九割同性愛者、異性は子孫を残す為の愛人ってほんとどうなのぉぉぉぉ~~~!


子供を産むための結婚、育てる為の愛人。

本命は同性…

いんやぁ~九割って辛い。

残り一割は異性夫婦。

…私…そっちの方…。


でも一割なので…出会えません!

唯一噂で聞くのはこの国の騎士団長は愛妻家。

子供も二人いるみたいだけど…

もう愛妻家最高。

私も出会いたい。

せっかく美少女として生まれたので、ちゃんと恋愛したい。

それが女の子なんですよ…

だけど、私もまぁ…同性の子にモテたモテた…

振る時は皆さま涙して、ちょっと同情しかけた子もいたけど…媚薬盛られた子もいたけど…まぁ…なんとか未来の旦那様が愛妻家かもと思い、貞操を守り切った訳ですよ…

でも人生はそううまくいきません。


王族が何故か私の結婚を後押しして、公爵家の方に嫁ぎました。

まぁ愛妻家とまではいかなくても、大切にしてくれました。

とてもかっこよく、社交界では人気で(主に殿方に)…私など足元にも及びません。

ですが…まぁ…


この方ももちろん同性愛者でしたがね!!!


本命は男爵家のいかにも受けの顏した殿方でしたよ!

えぇ!もちろん結婚してすぐに紹介されました!

あちらが本命、私が愛人。

二人とも仲良くね。

なぁにが仲良くね!ですか!!語尾の最後にハートが見えました。


ですが、旦那様は私の事も確かに大切にしてくれました。

噂で聞く限りですが、子を産み終わった者をずっと放置する方や追い出す方もいらっしゃるそうで…

何それ。最低ですね。

そのような事がないだけ、公爵様は紳士だと少しだけ私の中で株が上がります。


あぁ…長く語りましたね…なんてったって…今、私の状況を説明しますと…


本命様に寝込みを襲われて、目の前にナイフを突きつけられてる最中です。

いわゆるちょっと長い走馬灯でした。


「君が…君がいなければ…あの人は僕だけを見てくれる…」

「あの人と君が子孫を残す為とはいえ、寝所を共にするなんて…耐えられない…」


あぁ…本命様大号泣中ですね…


「なんで僕はあの人の子供を産めないんだ…」


それはまぁ…男性ですから?お子さんを産む為の体ではありませんから?


「君とあの人が初夜がまだなのは知っている…だから…君個人に恨みはないけど…死んで??」


本命様~~!!何で私めに嫉妬しているのですか~!

結婚して数カ月…旦那様と挨拶は交わしますが、それ以外は全く接触してないんですよ~

全部あなたとの時間を大切にしているんですよ~

確かに子を残す為に何度か閨事をしなくてはいけないと思いますが…それは許容してください!


心の中で何を叫ぼうが、現実の私はただ単に切っ先に恐怖して、全く動けないでいる木偶の坊です。


――どうしよう…体…動かない…これ…終わりよね…?


「ふふ…バイバイ」


エルシャの喉元目がけてナイフがおろされたその時、素手でナイフを掴んで止めた人物がいた。


「だ…旦那…様…」


私は恐怖した心を振るい立たせ、助けてくれた人物を呼ぶ。


「エルシャ…すまない…」

「公爵様…なんで……」

「今日、君の様子がおかしかったからね…でもエルシャに危害を加えてはいけないよ…結局この公爵家を続かせるには子供が必要だ。例えエルシャを殺しても…次の子が来るだけだよ」

「そんなのわかってるけど…」

「真に愛しているのは君だけだ…」

「公爵様…」


――…あっぶな~本当に死ぬかと思った……


エルシャがおもむろにベッドから上半身を起こしたのを公爵が気がつき、目線を向けてくる。


「エルシャもすまない…こうなったのは私の不徳の致すところ…明日改めて謝罪にくる…」

「…はい…どうぞお二人でお話合いなさった方がよろしいかと…」

「失礼するよ…」


二人が出ていき、先程まで騒がしかったエルシャの寝室は、再び夜の静寂が訪れた。


「………っあぶな~~~」


エルシャは起こした上半身を更に前に倒し、布団と睨めっこする格好となった。


「これが噂で聞く嫉妬で狂った結末…」


――…こうしちゃいられない!!


エルシャは急ぎ身支度をして、外出する準備を整えた。

令嬢であるエルシャが何もできない…と周りが思っているが、エルシャは転生者。洋服も構造がわかれば簡単な物は着られるし、家事炊事なんてお手の物。

平民として暮らしていく自身もあった。


…しかし平民も…


そう同性愛者国家とは平民もそうなのだ。


――…決めた。死ぬなら一度もまだ見たことない魔族に会いに行く!!!


「異世界転生してまだそれっぽいの見てないしね!」


真夜中だというのにエルシャは早速荷物を纏め、予め用意していた離婚届と別れの言葉を綴った置き手紙を机の上に置いていき、邸を後にした。



「ここが…魔族領…」


少し時間がかかったが、西側の城門を抜けて森の中に入ると暗闇が更に増した。


城門を抜けるのは案外楽でしたね…

門番達が夜の営みにせっせと励んでいたので、足音だけ気を付けて普通に通れましたし…


「…さて…どうしたものか…」


エルシャがこれからどうするか考えていると、頬の辺りが何かを通過し、直後生暖かい物が頬から流れた。


「…これは…血…??」


先程自身の頬を通過した物が地面に突き刺さっている。


これは…矢……


現状を確認しようと思考を纏めていると、澄んだ声が上から聞こえた。


「人間。ここは魔族領だ。何故このような夜更けにこんな場所にくる」

「あなた…死にたいんですの?」


男女の声。とても綺麗な声だが、エルシャに語り掛ける声はもちろん冷たい。


…声はあそこから……


エルシャは昔から無駄に視力が良く、夜でも人より視界がよく見渡せる。

唯一の特技…と言ってもいいかもしれないが、声がする方へ視線を集中させる…


木の上に…二人……あれは…!!!!


エルシャはその二人がどの種族なのか特徴を見て瞬時に判断して、全速力で二人がいる木に駆け寄った。


「な…この人間…」

「これ以上近づかないで!打ちますわよ!!」


木の上にいる二人は困惑しながら、弓に手をかけたその時、木の下まで駆け寄ったエルシャが急に膝を地面につけ祈るような恰好をしたので、弓を構えようとした動きが止まった。


「…そのお姿…お二人はエルフ族ですか!?」

「……そうだ。それが何か…」


なんとぉ~!

エルフ…これぞ異世界…私は最後にエルフを見られたのですね…


「あぁ~お二人にお願いがございます…」


エルフの二人はお互いに顔を見合わせて、このおかしな人間をどうするか考えあぐねた。


「…願い…とは…?」


女エルフが聞くだけ聞こうとエルシャを見、男エルフは傍観を決めた。


「私…ずっと魔族の方とお会いしたかったのです…もし願いが叶うのならば…是非その弓で私を殺す前に、そのお姿を拝見させていただけないでしょうか!!!」


エルシャ一世一代の願いを口にした瞬間だった。



「あ…あの…」


エルシャは前を歩くエルフの二人に問いかける。


「なんだ…」

「私…どこに連れていかれるのでしょう…」

「はぁ…あなたのような人族は初めてなので、私達で判断せず、魔王様に決めていただく為に今は魔王城に移動中です。」


あの後、二人はエルシャを殺すでもなく追い出すでもなく、まずは魔王に指示を仰ぐことに決めた。

…二人の心理は…この人間…ちょっとヤバいかも?

っていうのが本音だが。


「なんと!魔王様に拝謁できるのですか!!」


魔王!これも異世界ならでは…

もういつでも死んでもいいわ~


数刻前はくだらない嫉妬心で殺されそうになったが、異世界を満喫した今ならもういい。

エルフの二人はとても美しく、人族なんて霞むくらいだ。

それよりなにより気になってた事をエルシャは勇気を振り絞り、二人に問いかける。


「…ところで…お二人は…同性愛者…だったりしますか…?…っもしくは魔族が…とか…」

「あぁ…人族は同性愛者が多いのだったな…」

「私達は異性愛者が多いですよ」


なんとぉ~~

あの一割だったのが、魔族は違うと!?

ビバ!魔族!!!


エルシャが涙していると、エルフの二人は明らかに憐みの目で見てくる。


「もしかしてお前…異性愛者で居辛くなったとかか…?」


こうして魔王城に行く道中、エルフの二人に数刻前の事を洗いざらい話した。


…結果…二人はとても私に優しく接してくれるようになった。



魔王城につき、案内してくれたエルフ達と別れ、いざ魔王様との拝謁に緊張した。


そして扉を開かれた先には玉座に座る魔王様。

容姿は本当に魔王と呼ばれるにふさわしく、黒い髪に頭から角がはえており、瞳は真紅。

そして誰もが魅了されるほどの絶世の美男子…


これは人族にいたら…奪い合いの戦争だな…


…っとどうでもいい事を考えてしまった。


「人よ…名は…」


…声もいい!!!


「わ…私はエルシャと申します。魔王陛下に拝謁できて恐悦至極でございます」


…言葉…合ってるわよね…??


エルシャは礼をとっているので、玉座に座る魔王の表情はわからない。


「ふむ…面を上げてよい…」


許しがでたので、顏を上げると、これまた先程見た時より至近距離なので破壊力が半端ない。

気絶しなかっただけマシだと思う事にしよう。


「まぁ…なんだ…エルフの二人から事情は聞いている…お前はどうしたい…」


まぁ…魔王様…憂うお顔も素敵です…


「魔王陛下…一つご質問よろしいでしょうか?」

「ん?なんだ?」


エルシャはわざとらしく咳ばらいをし、改まって魔王に質問をする。


「魔王陛下は…同性愛者ですか?」

「はっ?それがなんの関係が…」

「いいぇ!関係あります。お答えいただきたい…」


カツンッと床にヒールを叩きつけた音がホールに鳴り響く。


「…うむ…異性…だと思うぞ…恋などした事ないが…男に興味はないな…」

「さようですか…」


エルシャはホッと胸を撫でおろすと、次に願いを口にする。


「そうしましたら魔王様!是非!私を奴隷としてください!!」

「はっ??」

「あっ。もし邪魔になったらスパッと殺してくださってかまいませんので!」

「…お前何を…」

「…だめ…ですか…???」


エルシャは先程までの勢いと異なり、意気消沈した。


「…いや…まぁ…好きにするが良い…」

「わぁ!ありがとうございます!!」


エルシャは満面の笑顔で魔王に礼を述べ、案内役で再びエルフの二人が呼ばれ、二人に連れられて謁見の間を後にした。


「…魔王様…押されましたね…」

「…いうな…」


隣に立ち、全てを見ていた側近が哀れな目で主を見つめ、ため息を残しその場を後にした。


「…なんなんだ…あの人間は…」


魔王は一人…今後の事に頭を悩ませるのであった。

魔王様頑張れとしか言えない最後です。

…エルシャ…書いてて楽しかったです。

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