前編
今書いている『乙女ゲームのとおりにはさせません!』のスピンオフです。
ゲームでロザリアの妹リリーが断罪された後の話。
本編は明るい話でハッピーエンドにする予定ですがこちらはどっちかというと暗い話なります。
悪者をやっけてお姫様は王子様と幸せになりました。
では悪者はその後どうなったのでしょう?
消えた?殺された?追放された?
どんな結末でもお姫様と王子様の前には二度と現れない。
そう、私リリー・ブロッサムもそんな悪者の1人だった。
王立学園の卒業パーティー
そこで王子様は婚約者のお姉様を断罪した。
理由は王子の婚約者という肩書きや家の名を利用し1人の女の子を苦しめた。そして私もその女の子を嫌がらせをしたという罪で学園を辞めさせられて不正を行っていた父も裁かれ家を取り潰し追いやられた。
父は牢獄、姉は修道院にいかされたが私は修道院ではなく養子として平民になった。
私の罪がなぜ軽いかというと確かに嫉妬して女の子に嫌がらせをしたが、父や姉と不仲でありほとんど接点も無く二人と違って権力を使って悪業を行ってないという理由だった。
でもだからって許されるわけない。
私は当時婚約者だったグレン・マーカス様と婚約破棄し子供のいない平民の夫婦の養子になった。
平民になって2年、最初は生活が慣れなくて義父や義母によく叱られたが貴族の時と違って今の方が家族の温かみを感じ少しずつだか順応して穏やかな日々を送っている。
貴族の時はこんなに温かな気持ちにはあまり慣れなかった。
幼い頃に実の母は病気で苦しんでいる中、父は母に見向きもせず仕事を言い訳に浮気相手といて、姉は父の母への冷遇を分かっていだか父に愛される為貴族だから仕方ない、私には関係ないと言わんばかりに婚約者の第二王子にべったりしていた。
実母が亡くなったら浮気相手が義母となり余計に家族はバラバラになった。
※※※
8歳の時、ブロッサムの領地に来たマーカス侯爵家の嫡子であるグレン様に出会い友達になった。当時は友達のいない私だったから1歳年上の男の子だけど友達が出来て嬉しかった。
数日たった後、
「グレン様はいつまでここにいてくれるの?」
「父上達が観測が終わるまであと1週間って言ってたかな?」
「えぇ…1週間しかいないの?…寂しいよ…」
折角友達になったのに…と落ち込むと
「そうだね。俺の領地も遠いしね。でも友達だし同じ貴族だから王都でも出会えるよ」
なんでもない様に言うグレン様。
「でも私ね。お母様が病気で領地から離れられないの。お父様は領地に来ないしお姉様はたまに会えるけど王都ばっかりに居るの。私も年に何回か王都には行くんだけど行く度にお母様が哀しむの。お母様が哀しいのは嫌だから領地からあまり離れたくないの。」
中々会えないことに目元があつくなり悲しくなる。グレン様はそんな私をみて腕を組んで考える。
「じゃあ、王都からここの領地はそんなに遠く無いから俺が王都にいる時は遊びに行くよ。いない時は手紙でやり取りしても良いよね?」
いい案でしょ?とニッコリ笑うグレン様
とても嬉しかった。グレン様が私のことを思って考えてくれた事に。
そしてそれと同時に数日しか一緒に居ないのに私はグレン様の事が好きになってしまった。
それからグレン様は自分の領地に戻っても私と手紙のやり取りしたりグレン様から遊びに領地に来てくれた。
そんなやり取りして月日はたち、姉は12歳で第二王子の婚約者になった。そして姉の婚約した後すぐ私にもグレン様との婚約話がきた。
夢の様だった。婚約話が来た時はグレン様と婚約を纏めてくれた父に始めてお礼を言いたくなった。
我ながら現金だなだ思ったがとても嬉しい。
幸せだったのにそれも長くは続かなかった。
母が亡くなった。
最愛の母が亡くなり葬儀を行なっても父は最後まで母に会わなかった。
そんな父を私は憎んだ。
その後、姉と私は悲しみに暮れた。
姉は第二王子の婚約者として落ち込んでいられないと気丈にも立ち直ったが私は中々立ち直れなかった。
そんな父は傷心中の私に更に追い討ちをかけた。
母が亡くなり数ヶ月後、再婚すると言う父に驚き再婚相手を連れてきた。
その後、家族はバラバラになった。
私が傷ついている中、グレン様はいつも心配する様に声を掛けてくださったり手紙も頂いた。
私にはグレン様がいる。そう思うと何とか立ち直ることが出来た。そして段々とグレン様に執着していた。
今思えば姉も同じだったかも知れない。
だから私が王立学園に入学してからグレン様と仲良くしている先輩である彼女が気に入らなかった。
グレン様と仲良くして欲しくない近づかないで欲しいと思う度、彼女を邪魔ばっかりした。
その結果グレン様は彼女を助け余計仲良くなり私とは敬遠した。
そして姉の卒業パーティーで姉と一緒に断罪された。
お読みいただきありがとうございます。
本日はもう一つ続きをあげる予定です。