プロローグ 前編
初投稿です、一応テロップ作って頑張ってます。
夜中の大通りを歩いている、仕事に疲れたサラリーマン。
それが俺、東郷 浩。歳は29。
地元の普通高校を卒業後、なんとなく私立の大学に進み、なんとなくそこそこの企業に入る事ができたちょっと運のいい、それでいて何処にでも居そうな男。それが俺の全てである。
だが、考えても見てほしい。今のご時世、『なりたい仕事が見つかった!』なんて思った時には既に時間切れで諦める人間や、『学力』という名の壁を超えられず、くぐって来た人間が多いのではないだろうか?俺はそう考える…。
…うん。ごめん、俺の詭弁です。全ては俺の責任なのです。
中学時代までは勉強なんてしなくても、そこそこの点数は取れていた。故に驕っていたのだと今では思う。しかし、高校に入ればあれよあれよと成績は落ち、気付けば成績は中の下。
その後は何とか私立の大学に滑り込み、事なきを得たが…
そこから必死になって勉強するも、今まで勉強なんかした事の無かった俺が、成績が伸びるはずもなく…今ではこのザマである。特に夢もなく、持ち前のコミュニケーション力で何とか会社へ入り、今に至る。
(…うん、なんか改めて考えるとしょうもない人生送ってんなぁ…俺。
あぁ…何か楽しい事でもないかなぁ。)
まぁ、あるわけないんだけど。そんな楽しいことあったら今頃、もっと楽しんで人生を謳歌しているはずだ。今までの経験上、そんな都合のいい事は無い。
俺が訳のわからん事を考えながら夜の道路を自宅に向けて歩いていると、車道を渡ろうとしている杖をついた女の子を見かけた。綺麗な黒髪をした可愛らしい少女だ。
(うっへぇ、あんな娘が将来美人になるんだろうなぁ…ん?)
そんな自分でも馬鹿みたいだとわかる事を漠然と考えていると。
気付いてしまったのだ。奥から猛スピードでコチラに向かってくる白いワンボックスカーに。
(まずっ…このままじゃあの娘に!…クソ、こんなのは俺の役割じゃねぇだろうが!)
取り敢えず、助けなければ!そう思って俺は駆け出す。安いビジネスシューズを履いているせいか、いつもよりとても走り辛い。手に持っていた荷物を捨て、兎に角全力疾走であの女の子の元へ!
(杖ついてるって事は足が悪いのか?…いや、あれは白杖ってやつか。…つまり目が見えてねぇじゃねぇかよ!)
少女はさっきから車道で立ち止まったままでいる。恐らく音は聞こえているが…諦めてしまったのかもしれない。このままでは最悪の事態は目に見えて明らかだ。しかし、車が少女に当たる前に、何とか少女の元へ辿り着けた。
(…っ届いた!このまま抱えて…っ!?)
その時、彼女の足元が照らされる。何に照らされているか何で嫌でもわかる。車のヘッドライトだ。つまりあの車がもうすぐそこな訳で…少女を抱えるなんてまず間に合わない。
「…クソ」
俺は、少女の背中をできるだけ力を込めて――突き飛ばした。
「きゃっ!?」
少女から可愛らしい声が漏れたと思った瞬間、俺の視界が暗転した。
で?俺がどうなったかって?
ハハハ!
知らない女の人が乗った船の上で目を覚ましました。…はぁ?
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