脱出について
それから私はまずこの周辺の地図を作り上げることにした。
「“探査映像図”っと。さ~て、これで周囲の状況を確認した。後はこれに沿って移動すればいいけれど……この図だと、道が交差した場所に私達は落ちたみたいね」
そう私が現した地図にて、そう告げるとそこでロランがその地図を見ながら、
「俺達がいるのは……地下か? となると城の地下に広がるダンジョンまで落ちてきたのか。……まずは地上に出るのが先決か? だが待ち伏せも考えられるか」
呟くロラン。
確かにあの突然の崩落は人為的なものにしか見えなかった。
そしてあの時見たあの影は……。
私はそう黙ってしまうとそこで、その図を見ていたリフェが、
「どこをいっても上の階にまっすぐ行けばつくみたいです。ただ、その四か所の前には何か赤い物が鎮座していますが……」
「ここのダンジョンのボスじゃない? しかもこの大きさだと……“さらに深く解析”っと」
私はその赤い部分に触れる。
するとその魔物のデータが表示される。
「『“二頭鼠の番人”』得意なのは氷系の魔法だって。結構魔力が多いわね」
「! 魔力が多いなんてレベルじゃないですよ! こんな強力な魔物、外ではほぼ見かけませんよ!」
「次はリフェ一人で倒してみる?」
「む、無理です! 無理無理」
「これくらいならいける気がしたけれど、まだやる気にならないのね」
残念ね、これからもう少し“慣れ”てもらわないと、と私は思う。
リフェの力はこの程度ではないし、これからを考えると、もっと強くなってもらわないと困る。
乙女ゲーム内では、時間があっという間に過ぎて行ったが一定の修行回のようなものがあった。
それによって強化が為されていたのだが……ここには、そんなものはない。
だから私がリフェを強化するのだ!
そう決めているとそこで、ロランが気付いたようだ。
「ここに番人のようなものがいるが、その近くに大きな穴が開いていないか?」
「本当だわ。……このダンジョン内の探査しか設定していないから、その先がどうなっているのかが分からないけれど……調べてみる?」
そう聞くとロランは黙ってから、次にこの位置を見て、
「この穴の方は、“町”の地下に繋がっているかもしれないのか? よくよく見るとこの穴の形は歪ではなく、成形されているようにも見える」
「それって誰かが人為的に作った入り口……そう言いたいの?」
「……だがそれよりもまずはここからの脱出の方が先か。この地上部分がどうなっているのか、分かるか? どうせ一度使ったのだから気づかれるなら、気づかれているだろう」
という事で地上部分の待ち伏せも確認するが……。
「魔物が少し多いわね。しかも偽装している……あ、こっちは“彼等”のものみたいね。綻びがちょっとあるから。ただの誤差かもしれないけれど、さっきの事を考えると良そうよね。うーん、司令塔である“彼等”を先に倒してしまった方が楽だし、そうしましょうか」
「潜んでいる“彼等”がそこにいる人物達だけとは限らないのが面倒だな」
「でも疑ってばかりでもいられないしね。もう少し簡単に“彼等”かどうか分かればいいのだけれど」
「となると“聖女”が必要だな。“聖女”の感覚は鋭敏だから」
ロランがそんな事を言う。
確かに“聖女”の力で分かるには分かるけれど……もっと簡単に調べられる魔法なり道具なり開発しておこうかと私は、“聖女”だと気付かれないために作ろうと考える。
その方が負担も少ないし。
“彼等”も対策を練ってくるだろうが、鼬ごっことはいえ見つけられるに越したことはない。
その短い期間でも、少しでも“彼等”の戦力がそがれればいい、そう私が思ったのだが、
「“彼等”は俺達と存在が一部違うから、それを指標にすればいいのでは」
そうクレナイが言い出したのだった。
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