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明日はどうしようかな

 ここに持ってこれるような本はたかが知れている。

 だがそれでも“超”有名な剣はここに十分に載っている。

 “彼等”と戦うならば、ここに載っているような伝説級の武器であるような気がする。


 しかも呪いのような祝福のような、そんな力を感じた。


「そこまで行くと、この本に載っていそうなのよね。となると新しく“新調”された物か、もしくは別のものをさらに現在の技術で改造したのか」


 私はそう呟いて考えて呻く。

 この世界には実は、過去に凄い魔法文明があったりするのは置いておくとして。

 そして伝説級の武器はその文明の産物に多少手を加えたものがほとんどだという。


 これも何か過去のものを使ったのか?

 後はまれに“聖女”の遺産を使う場合もあるらしい。

 過去の魔法文明に匹敵するような強い力と能力があるのだ。


 一説によれば“聖女”は過去の魔法文明からの“贈り物”とも言われているらしい。

 そういった“彼等”と戦うための“因子”を私達の肉体に埋め込んだとかなんとか……。

 因みに、私たち今の人間はある時点で過去の魔法文明の知識を失っている。


 それは“彼等”の影響によるものらしい。

 けれどそれを見越して、その過去の魔法文明の人達は何らかの手段を残したと言われている。

 それが何なのかはよく分からないが、とりあえず文明や遺産があるのでそれで戦っている、そうなっている。


 といった話を思い出しながら、でもこの剣本当に何なんだろうなと思う。

 これほどの物を最新の魔法技術で作れればそれはそれで凄い気もするが、


「それは無いわね。でも魔法技術が発達したあの国ならそれくらいできたりするのかな」


 私は呟きながら考える。

 “聖女”の能力は“異常”ではあるけれど、世の中には“異常”ともいえるような“天才”がいるのは知っている。

 その人物達の力を結集すれば、あれくらいの物は作れるのか?


「それはそれで興味があるわ。そしてあの剣の正体を次位に見破ってやるわ! ……ロランとはあまり関わりたくないけれど」


 私は小さくそう付け加えると、リフェが反応した。


「つまり、ロラン様ならマリナ様を抑え込めるという事ですね」

「それは無いわね。私は言う事を聞かないから」

「……そうですか」


 私の答えにリフェはがっかりしたようだった。

 だが私としても折角のこの機会に冒険したい欲求があるのだから、そこは譲れない。


「さてと、明日はどうしようかな。あの古城にはどんな魔物がいるらしいの?」

「……毒や、やけどを負わせたり、石化の呪いがあったりしましたね」

「よし、今日はこれからそれ用の薬を作るわよ」

「! もう暗くなって月が出てきていますよ」

「丁度月の光で育ちやすい薬草を材料にするから、今の時間がいいわね。リフェは薬草とか詳しいでしょう? だったら私がいっていることはわかるわね」

「うう……知識なんてなくてよかった。そうしたら普通に否定できたのにぃいい」


 そうやって叫ぶリフェを連れて、本日はリフェと一緒にあれでそれな感じの踊りやら呪文やらで薬草を育てる。

 リフェも少しは魔法の使いになれたようだ。

 やはりあの道具などで感覚を掴ませたのは良かったようだ。


 しかもすぐにそれを身に着けるあたり才能がある。

 そして育て上げたそれを使い、解毒薬などを作って私は、その日は眠ったのだった。


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