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卵サンド

 こうして、私達は昼食をとることに。

 まず私達が食べたものは、卵サンドだった。

 固ゆでした卵と手作りマヨネーズ、胡椒などのスパイス、そして手作りの独自に配合した香辛料で作ったピクルス液につけたキュウリなどが細かく刻まれて混ざっている。


 そう、このピクルスが重要なのだ。

 単体で食べると強い酸味を感じてしまうこれだが、細かく刻んで具に混ぜたり、サンドイッチに薄く切って少しだけ入れると、その酸味と香りが程よくてそれはもう、もう……。

 それほど長くつけなくても食べられるのがピクルスの良い所でもある。


 そう思いながら、卵サンドを食べあげてしまうとそこでリフェが、


「やっぱり、マリナ様のお屋敷のご飯は最高です。美味しすぎて幾らでも行けちゃいます。あまりにも味がいいのでこの前、料理人の人に家庭でもできるピクルスの作り方を教えてもらっちゃいました。今うちでも作って、皆で食べています」


 と嬉しそうに言う。

 それは良かったわと私が思っているとエレンが、


「そんな風に更に食べる量を増やしたら、“太る”わよ?」

「うぎゅ!」

「美味しいからって食べ過ぎは良くないわ。確かにこの卵サンドは美味しいけれど……次はこのハムサンドに行っていいかしら」


 エレンが私にそう聞いてきたので、どうぞと私は答える。

 それにリフェが、エレンちゃんだって食べているじゃないですか! と言っていたがすぐにエレンがしれっと、私は良いの、と答えていた。

 そんな光景を見て小さく笑っているとそこでロランが、


「確かにこのサンドイッチは美味しいな、昔食べたものと同じだ」

「うちの料理人直伝のサンドイッチだからね。確かお兄さんが都市で店をやっているからそこで食べたの?」

「どうだろうな。“人”に貰ったものだから」

「ふーん、美味しいからロランに食べさせたかったのかしら」

「……どうだろうな」

「きっとそうよ。私ならそうするし。……シルバ、何で笑っているの?」


 そこでおかしくてたまらないというかのように顔を背けて嗤うシルバの姿に私は気づいた。

 そしてそこはかとなくロランも機嫌が悪そうで、どういうことなのか問いただそうとするとそこでロランが、


「それで、マリナは貴族の令嬢っぽいが、どうしてこんな田舎に来た? 何かあったのか?」

「令嬢っぽいという表現に私は物申したい気持ちはあるけれど、うん、婚約者を他の女に寝取られて、悪口を撒かれてしまって、別荘で静かに過ごすことにしたの」

「……寝取られたのか」

「ええ、なんでも私よりも“女”としても“能力”としてもすぐれているってあの令嬢ミズハは思ったみたいでね」

「そうなのか? ん? ミズハ、ミズハ……どこかで聞いたような」

「寝取り女で十分よ。あのバカ女」


 私がそう言い切るとロランは微妙な顔になってから次に、


「それで婚約者にマリナは未練がないのか?」

「あるわけないじゃん。私、あの王子好きじゃないもの。寝取り女とお似合いだわ」

「……そう、か」


 そこで何故かロランが、少しだけ嬉しそうに笑ったのだった。

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