第三の選択肢
ロランと一緒にいるシルバの提案。
にこにこと笑っていて愛想は良いが、こういうタイプは大抵腹の中に一物抱えている気がする。
否、絶対にそうだ。
それに私は、この気に入らない人物であるロランと一緒にダンジョン潜りなんて嫌だ、と私が思ったのだがそこでロランが、
「……リフェ、というメイドを連れている、どこかの貴族の令嬢か。そんな貴族の令嬢が、こんなダンジョンに“勝手”にもぐりこんでいると」
「だ、だからなによ」
「貴族令嬢らしく大人しく、屋敷で編み物なり刺繍なりしていたらどうだ? その方が可愛い顔にも傷がつかない」
「いやよ。せっかくここまで来たんだからもっと、自由に冒険したいもの」
「……冒険したいのか」
「そうよ、悪い?」
「悪い」
ロランはそれは悪い、と言い切りやがった。
けれどそこで深々とため息をついてからロランが、
「俺が止めても勝手に冒険に行きそうだ。となると、一緒に連れて行った方が良さそうか」
「な、何で私があんたと……」
「ロランだ。マリナ」
「名前を呼び捨てにするな!」
「じゃあマリナ様?」
「……何だか気持ち悪い」
「我儘だな。それでどうする? ご両親か誰かに、マリナの所業を言いつけるか、それとも俺達の“保護”の元に一緒にダンジョンにもぐるなどの冒険をするか」
二択を突き付けられてしまった私。
だが私はお断りだ、と思いながらちらりとリフェの様子を見る。
リフェは楽しそうにエレンという少女と話しているが、距離は近い。
そして、私は第三の選択肢、
「そんなのどれもお断りよ!」
「あ、待て!」
ロランが私に待てというが聞く耳はもたず、リフェの手を握りそのまま駆け出した。
そう、敵前逃亡である!
後ろの方で待てという声が聞こえるが、そんなで待つ人間はいませんよと思いながら、その場を逃走したのだった。
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