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初めは素人です

 自分の力を過信して、危機に陥った。

 ロランのその言葉には間違いがない。

 だが、このまま言われ放題されたままなのは気に入らない。


 何か、言い返せないか、と思うが悔しい事に何も言い返せない。

 この私をやり込めるなんて……やっぱり気に入らない、そう思っているとそこでロランが私の顔に手を伸ばしてきた。

 そのまま頬に手を触れて、動かして、


「……泥がついているな。お前、意外に可愛いというか美人だな」

「……その美人の頭を掴んで、地面と顔面衝突させたのはどなたですか」

「……素人が勝手に死にかけているのを見て、イラっと来たから仕方がない」

「! まさか、あんな風に地面とキスする以外に除けさせる手立てがあったんじゃないの!?」

「ち、気づいたか。だがああいった目に遭うのは、全てお前があんな身の丈に合わない敵、ダンジョンの主といきなり戦闘をしようとするからだ」


 上手くやり込め返せるかと思ったらまた初めの方の話に返された。

 しかも、くどくどとお説教をしつつ、髪についた石をロランが幾つか取ってくれた。

 何だかこうやって優しくされつつ説教をされると、これ以上言い返すのに抵抗が。


 は! まさかこれがこのロランの手口なのかと気が付いた。

 そしてこのままでは楽しい冒険者ライフが失敗に終わってしまうかもしれない。

 ここは抵抗すべき時!


「分かったわ」

「そうか」

「ダンジョンの主以外と戦闘すればいいのね!」


 そうなのだ。

 普通の魔物は私達の敵ではないのだ!

 その答えにロランは眉を寄せて怒ったように私に、


「……危険な場所に行く気か? 素人が」

「……誰だって初めは素人です」


 そう言い返した私。

 ロランは怒ったようににらんでくるが私は睨み返す。

 そこでパンと手を叩く音がした。


 見るとそこでは、ロランと一緒に居た人物がいて、彼は、


「ロラン、そんなに彼女が心配なら、一緒にダンジョンにもぐってあげたらいいんじゃないかな」


 などと言いだしたのだった。


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