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ドラゴンについての情報

 リフェの悲鳴を聞きながら、私は目の前の敵に“歓喜”した。

 本来であれば“偶然”にも遭遇する事などかなわないタイプの、ダンジョンの主。

 それもこんな初心者のダンジョンではお目にかかれないような魔物に遭遇できそうなのだ。


 自分が“聖女”であると同時にリフェという、魔法の才能あふれる少女に触発されて生まれた魔物。

 否、ダンジョンという性質そのものが、この世界の私達と反するものを作り出すことで、ある意味で安定化をもたらしている。

 人間の方に魔力などが偏らない世界の強制力の一つ、でもあるらしい。


「それを考えると“聖女”って、イレギュラーな存在よねっと。あらあら、大分形が出来てしまったようね」


 そこで徐々に光が収まり、大きな羽と爪、そして爬虫類のような体……ではなく、ぬるりとしたナメクジのような胴体に、くぼんだように赤い目と、さけた口から牙が輝く“ドラゴン”が現れる。

 全体的な形からドラゴンに分類されるが、厳密な意味でダンジョンの主としてのドラゴンと、種族としてのドラゴンは別である。

 似た姿をしているものや、人食い竜という種族もいるために混同されがちだが、前者の場合は知能が低く人間を殺すことが主目的になっている。


 後者の場合は知能も高く人間とも協調関係にあり、会話などが成立したり、一緒に育てば友として生活できる。

 ただ後者の方が圧倒的に少なく、彼等は自然発生以外にも適正者と伴侶になり少ないながら子孫を作ったりしている。

 また、人型に変身出来たりするらしい。


 東の方にそのドラゴン種族の国があると聞いた事もあり、一度だけその国の人と接触したことはあるが、こめかみの所に鱗のようなものが幾つかある理知的な美形だった。

 と、ドラゴンについての情報を思い出した所で、目の前の敵が羽ばたくように羽を震わせたのだった。 


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