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ここでは私を誰も知らない

 この世界に生を受けた私は、自分が“聖女”だと知っていた。

 転生させるときに、“聖女”になりますが~といった説明を聞いたのだ。

 ただ他にも何かがあるらしいが。


 けれど“聖女”というものはこの世界“ルーンストーン”では重要な人物で、もしも気づかれてしまったら“保護”という名の窮屈な生活が待っているらしい。

 強い力を持つ少女だからこそ狙われやすい、だから守らなければというのは分かる。が、


「楽しく人生を謳歌したい。ただでさえ窮屈な公爵令嬢なんて肩書があったわけだし。でもこれから行く別荘では、私の事なんて誰も知らない」


 そう小さく一人呟いて私は笑う。

 そこに入ったら何をしよう?


「冒険者もやってみたいな。“聖女”の力で治癒系の魔法はいくらでも使えるし、魔力も沢山あるし。自分の身を守る程度の剣術は扱えるし。楽しみだわ~」


 そう私はこれからの生活に期待しながらその日は宿をとる。

 次の日は、朝からまた移動して宿に泊まる。

 途中途中でその町の特産品などをいくつか購入しつつ進む。


 そして、約四日後。

 どうにか辺境の別荘(実はどこの貴族の別荘か町の人はあまりよく知らないらしい)にやって来た私。

 すでに人をやって、掃除などは終わっているという。


 元の屋敷と比べて小さめの屋敷に見えるが、それでも周りを見ると十分に大きい。

 青い屋根のその別荘を見ながら、


「よし、貴族生活フェードアウトで、普通の一般人になって、“聖女”の力を使い放題使ってやるわ! もちろん世界征服といったものではなく! そうすればだれも悪役令嬢である私がそんな事をするなんて思わない! 私の新たな人生が始まるの!」


 そう期待に胸を躍らせながら、私は叫んだのだった。 

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