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“聖女”の力

 ダンジョン内部に入った私は周りを見回す。


「なるほど、ダンジョン内でも特に透明な結晶に魔力が集まりやすいみたいね。でも何でその部分が強く発光しているのかしら。……逆にこういった透明な結晶がダンジョン内に生成されやすくなり、それによってその魔力が光に変換している? と言っても一部……けれどそういえばどうしてこのダンジョン内には、“光”が必要なのかしら。“光”、つまり私達の可視光領域でなくとも相手を見るすべはあるはずで……ぶつぶつ」


 などと呟いていると、


「うう、こんな中身の分からないダンジョンに来るなんて」

「リフェはここに来たことがないの?」

「初心者向けとはいえ、普通はダンジョンに私達は潜りません」

「……でも魔法の心得はあるんでしょう?」

「上手くいった試しがあまりないんですよぅ」


 と言って嘆くリフェに、私は、一つの腕輪を渡した。


「これ、つけといて」

「? これは?」

「つければ、それほど強力ではないけれど四種類の攻撃魔法と治癒魔法が使える物よ。自動的に付けている間のみ理解されてしまう代物。結構高価だから、本来の用途は魔法の才能があるかどうか、この魔法を使えるようになったとしてどの程度の威力が打ち出せるようになるかを見る物なの」

「こ、こんなものが」

「それで慣れたら、その魔法を覚えてね。さてと、少し内部にはいっつぃ誰も来る気配もないから……まずはダンジョン内の地図でも見せてもらいましょうか。“探査映像図さーち・ほろぐらふぃ”」


 私はそこで、“聖女”の力を一つ使ったのだった。


 





 時刻はマリナ達が逃げ出したすぐ後の事。

 逃げて行った彼女達にエレンが、


「ま、まさかあっちの方角はダンジョン! 二人でダンジョンにもぐるつもり! 初心者用と言っても素人が簡単に行ける場所では……」

「なんだって! ……行くぞ」


 ロランが驚いた顔をしてから、苛立ったようにいくぞと答えてエレンと走り出す。

 その後を追っていたシルバはロランに追いつくと、

 

「ロラン、いつになく必死だね」

「……」


 ロランの答えないその様子にシルバは小さく笑ったのだった。


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