表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/74

私の計画が

 リフェを連れて私は走っていた。


「ど、何処に連れて行く気ですか!?」

「ダンジョンよ、そのために装備を幾らか整えてきたわけだし。あのスリにさえ合わなければ気づかれなかった」


 小さく呻いた私は心の中で思う。

 スリにあって財布をすられたのも気に入らないが(もちろん気絶して倒れていくときに財布は回収済み)、それをたまたまリフェの知り合いと関係のある人物に助けられてしまった点だ。


「折角、衛兵に突き出す前に移動出来たのに」


 私は不運を呪う。

 だって衛兵に突き出したら、身元を聞かれそうじゃないですか。

 そうしたら公爵令嬢マリナだと答えないといけない。


 目立つ、そして私がこの周辺を歩いているのを気づかれる。

 普通の人達にはまだ、そこまで私の情報はで回っていてほしくないのだ。

 何しろ好き勝手に町やダンジョンに出入りして、“聖女”の力を使うなどしたいのだ!


 そういった目的があったというのに、やはり、彼、ロランと接触したのはあまりよくなかったようだ。

 とりあえず、リフェと一緒に居たエレンは私が公爵令嬢だと、気づいていない。

 この別荘に来る時に、親に公爵令嬢なのは伏せて静かにしたいとお願いを私は事前にしておいたのだ。


 事情が事情だけに、誰も知らない場所だから身分を隠したい、という願いはそれほど不自然ではなかった。

 そしてこれは目立たないための布石だったのだ。

 私が自由に行動できるための!


そのために細心の注意を払っていたというのに、


「やっぱり、何だか“気に入らない”。私の計画が……っと、着いたみたいね」


 そこでリフェの手を引き走ってきたその場所にある、ダンジョンの入り口の看板を見て私は、小さく笑ったのだった。



評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ