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値踏みするように見る

 新たに表れた少女エレン。

 リフェが嬉しそうに名前を呼んでいる。

 エレンという少女は、つややかな黒髪をツインテールにして白いリボンを付けた赤い瞳の少女だ。

 

 初見では気の強そうなお嬢様といった風である。

 だがすぐにリフェに名前を呼ばれたエレンはリフェに気付いたらしく、驚いたような顔をしてからにこりと微笑み、


「リフェ、どうしたの?」

「え、えっと今日は、お屋敷の貴族のご令嬢に町を案内していたのです」

「なるほど。……貴方があの別荘にやって来た貴族ね」


 そう言ってエレンは私を値踏みするように見る。

 だから私も、エレンを値踏みするように見てやる。

 とはいえどうやら彼女も町娘に扮しているらしく、高級そうなものを身に着けている風ではなさそうだ。


 ただ冒険者のような人物であれば、高級な物というか魔道具を身に着けたりはすることはあると、本で私は読んだことがある。

 何しろ自分の命のがかかっているのだから、多少はお金をかけるのだろう。

 私も当然だと思う。


 さて、そこでエレンが、


「なるほど、町娘に扮していると。ですがそれを言ったなら、その髪飾りはあまり良くないのでは? 高価な宝石が使われているでしょう?」

「ああ、これは防御用の魔道具だから、いいの」

「……何で町に散策に出てきている“だけ”なのに、そんなものをつけているのですか? まさか……」


 エレンの言葉に、ち、気づかれたかと私は思った。

 そしてエレンが何かを口にする前にリフェの手を掴み、


「リフェ、行くわよ!」

「ど、何処にですかぁあああ」


 私は、その悲鳴と、待てというエレンや彼らの声が聞こえなかったふりをしたのだった。

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