現れた少女
「ロラン、どこだ、ロラン! あ、いた」
そこで新たなイケメンが現れた。
こちらも私と同い年のような少年だ、またもイケメンである。
茶色い髪に緑色の瞳の少年だ。
彼もまた剣を携えていることから冒険者なのだろうか?
そう私が思っていると彼が、
「ロラン、何処に行ったのかと思ったよ」
「スリをしている男を見かけたから、捕まえようと思ったら、ここにいる彼女に手を出して……」
「それを助けたの?」
「いや、反撃しようとしていたから、怪我をする前に俺が殴った」
「それは良い事をした。綺麗な女性が怪我をするのは見るに堪えないからね。あ、俺の名前はシルバと言います。よろしく」
そう、シルバと名乗った彼はにこやかに私に自己紹介するが、そろそろ私は突っ込むことにした。
「自己紹介をしていただいたところ申し訳ないのですが、スリの方を気絶させた前で立ち話はどうなのでしょう?」
「……倒れているね、とりあえず移動しようか」
シルバがそう言って私達はそのまま移動する。
と言っても二つほど先の道沿いの路地に入っただけなのだが。
そこでシルバが、
「でもロラン、勝手に移動をするのはいただけないよ。エレンも心配していた。彼女に迷惑をかけるのは良くないよ。無理を言っているわけだし」
「……分かっている」
うつむいたようにロランが呟く。
だがそれを聞いたリフェが、
「あの、ロランさんたちが知っているエレンは、この町の名家、ロッカ男爵家の令嬢、エレンの事ですか?」
「そうだけれど、それがどうかしたのかな?」
シルバが相変わらず微笑みながら、探るようにリフェに聞く。と、
「いましたわ、ロラン様、シルバ様……それに、リフェ、何で貴方がここにいますの?」
「エレンちゃん!」
そこで新たに現れた少女の名前を、リフェが嬉しそうに名前を呼んだのだった。
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