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ジョシタワムレ

 言葉を聞き間違えたのか、ハッキリ分からない。女子学生から「お友達になってください」と誘いを受けた。一応念のために確認しておくが、今ボクは裸一貫だ。裸で街中を歩いている変態に対し「お友達になってください」と言うのは普通の神経ではない。それは常識から考えれば直ぐ分かることだ。もしかして、ボクの幻聴じゃないか?女子校に入れるという興奮で頭がどうかしてしまって、そう聞こえてしまっただけじゃないのか?

 いや、お友達の前にもっと気にするべき事柄があるだろう。目の前には脱ぎたてホヤホヤの桃色パンティが差し出されているんだぞ。これを手に入れないで誰がHENTAIだ!世界にパンティは無数にあれども、脱ぎたてのパンティが手に入るのはここしかないのだ。

「も、もう一度言ってくれるかな?」

 興奮が抑えきれず、思わず言葉がどもる。

「と、と、とも、友達に、なって、くれますか?」

 澄んだ瞳でボクを見つめてくる。そしてボクの目の前には黄金に輝くほかほかパンティが差し出されている。さすがにその光景に違和感を覚えたワダジマエイミは、ボクとハタノミキに割って入り口を挟む。

「いやいやいや、何考えてんのアンタ!」

「え、先輩もお友達じゃないんですか?」

 おっと、この娘はワダジマエイミより年下か。後輩キャラも悪くない。

「いや・・・・・・アタシは別に・・・・・・」

 ボクと友達であるかという問いに言葉を濁すワダジマエイミ。ボクと家族風呂でめくるめく官能の世界を堪能した身で良くもぬけぬけとそんな事が言えたもんだ。

「何を言っているんだワダジマエイミ!ボクと君はフレンドじゃないか。セフレ」

 思わず顔を紅潮させ、ボクを殴ろうとするワダジマエイミ。顔をパンティで隠し、二人が視界に入らないようにするハタノミキ。この二人、何か勘違いしているんじゃないか?

「なに興奮してるんだ。セフレって、セントウフレンドの略だぞ。キミ達はなにを想像してるんだ?」

「セ、セントウ?」

 ハタノミキは、顔を覆っていたパンティを取り払い、ボクを再び見据える。

「そうさ、ボクとワダジマエイミはセントウで風呂を共にする位仲の良いセフレなんだ」

 すっとボクはワダジマエイミの手を取り、ボクの胸元に引き寄せる。

「ちょっと、あんまり恥ずかしいことしないでよ」

 ワダジマエイミはまんざらではないらしく、ボクに抱き寄せられハニカミ笑みを浮かべている。そんな二人を見てうらやましく思ったのか、ハタノミキはボクの背後までトテトテと小さな歩幅で歩いて行き、腰の辺りに手を掛けた。

「わ、わたしにも・・・・・・やさしくしてくれますか?」

 背中にじんわりと伝わる熱。皮膚を揺らし細胞を励起させる、麻薬のような声。それはボクのHENTAIリビドーを爆発させるのには十分なものだった。

「ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

 我を失ったボクは、ワダジマエイミを突き飛ばしハタノミキに飛びついた。首筋に鼻をこすりつけ、体を洗った時に付いた匂いであろう石けんの香りを堪能する。

「ひゃっ、くすぐったい、です」

 ハタノミキにボクの荒々しい鼻息が耳に届いていたようで、小刻みに体が震えだしている。

「ちょっと!な、何やってんのHENTAI!」

 突き飛ばされたワダジマエイミは、顔を真っ赤に染め、二人を引き剥がそうとする。

「な、何をするんだワダジマエイミ!今はテイスティング中だぞ」

「なにがテイスティングよ!女子校生に抱きついて匂い嗅いでるなんて、警察に見つかったら速攻逮捕なんだからね!ってか、あんた元々裸で出歩いてるんだから更に罪を重ねちゃダメでしょ」

 鬼気迫る説得に見事に圧倒され、ボクとハタノミキは体を離す。ハタノミキはとろんとした眼でボクを見つめ、人差し指を嘗める仕草を見せる。まだ物足りなかったのか、あのプレイでも?

「ちょっとアンタ!なに朝から発情してんのよ!早く教室行きなさい!」

 結局ワダジマエイミがお姉さんスキルを発動し、ハタノミキを校内に連れて行ってしまった。

 このままでは不完全燃焼だ。あんなお預けを食らって只で帰るとは、HENTAIの名が廃る。しっかり味わってから帰路に着こう。

 改めて校内への侵入を試みる。既に始業してしまったため、門はもちろん閉鎖されている。警備員が常に見張っているため、そこからの侵入は事実上不可能といっても良いだろう。先ほどの抜け穴も、ワダジマエイミに発見されている。そこから入ろうとすれば一瞬で見つかり、今度こそタダでは済まないだろう。

 はてさて、どこから侵入すればいいのか。やはり正攻法でいくべきか。正門から堂々と入って行くのが今の中では最善の策だ。だが、ボクは教師ではない。外から見れば裸でうろつく不審者だろう。であればどうするか。

「そうだ、理事長に変装しよう」

 ここの理事長は年齢も若くアバンギャルドで有名だ。最近先代が急逝しいきなり引き継いだ故に、理事長がどんなことをするか分かっていない。加えて理事長はコスプレ好きで、良くセーラー服やマンキニで学校内外を出歩いているそうだ。なら裸で出歩いていても問題ないはずだ。

 ボクは理事長の振りをして、自ら校門に突入する。当然警備員に止められる。

「君!ちょっと何してんのこんなところで」

 警備員が警棒を取り出し、ボクにメンチを切ってくる。ボクは悠然とした態度で応える。

「なんだね君は!この学校の理事長になんて無礼な!」

 その言葉に、警備員がハッとし咄嗟に警棒をしまう。

「す・・・・・・すいませんでした。お、お通りください」

 ボクの言葉に目の色を変え、校門を開きボクの侵入をあっけなく許した。




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