コウコウイコウ
何だかいつもより体が軽い気がする。何故だろう、心が満たされているからだろうか。先日遊園地で家族風呂で存分に『味わって』しまってから、並大抵のモノでは満足できない体になっている。まずい。これはまるで覚醒剤だ。女の子の匂い嗅ぎたい→大量摂取→幸せ→虚脱感→禁断症状→更に大量の女の子・・・・・・の無限ループの完成だ。いつかは夜のホームランも連続で打てるようになりそうだ。
『女の子嗅がずに、撮って眺めよう!』を早速スローガンに、ワダジマエイミをストーキングする。遊園地プレイをした後は、どこかよそよそしくなってしまった。遊園地に行く前はあんなに優しく嬲り殺ししてくれたのに、今となっては家に寄ってさえくれない。だめだ、これ以上摂取を絶たれると、体が震え始め公園で思わず『パンティーーーー!!』と叫んでしまう。一回それをやらかして警察に捕まりかけたこともあったっけか。
一歩でも近くにワダジマエイミ、いや女子高生なら誰でも良い。早く触れたい。嗅ぎたい。なめ回したい。電柱の陰から暖かく見守る陰獣が、今か今かといたずらな風が吹き荒れ、隠されたエデンへの扉を開けてくれないかと強く願う。どこかに神は存在する。そう強く願っていると、地球がボクに応えてくれる。突如として下から吹き上げる風が道を通り抜けたのである。ふきつける風の力と、突然のことで抵抗しようのないスカートは我を忘れ、本来隠すべきであるワンダーランドを臨時開園してしまう。待ってました!とばかりにボクは手元にあるカメラを手に取り、開園時の様子を克明にフィルムに焼き付ける。
今日の収穫はこれでバッチリだ。カメラに保存されたエレクトリカルパレードの数々を、恍惚の表情で眺めていたが、その至福の時はある女に掻き消される。
「なに朝から発情してるの?」
そう、ワダジマエイミだ。
「何って、通学路専属カメラマンとして当然の仕事をしているだけさ」
「通学路専属って、ただ盗撮してるだけじゃん」
そう言うとワダジマエイミは、ボクのカメラを取り上げ撮影された数々の秘蔵写真を丁寧に閲覧し始める。すると、ある写真を目にした途端、頬を緩ませ怪しげな笑いを浮かべた。
「これは、使える」
そう告げて彼女はカメラのデータが保存されているフラッシュメモリを抜き取り、そそくさと学校へ入っていった。
「ちょっと・・・・・・結構気に入ってたんだけどな。ワダジマエイミのエレクトリカルパレード」
ボクは珠玉の作品が収められたフラッシュメモリを奪われたことに、いくら女子校生属性を考慮しても看過できないため、久しく行っていなかった女子校潜入を敢行することにした。
ワダジマエイミの通う女子校は近所でも名の知れた学校で、おいそれとは入学することを許されない進学校である。校訓は『誇りある女子たれ』だそうだ。
そんな女子校にも抜け穴というものが存在する。ぐるりと校舎を囲んだ壁に、更に手を掛けられる場所に有刺鉄線を仕掛けている徹底ぶりで侵入者の行く手を阻んでいるのだが、1カ所だけ途切れている箇所がある。これはボクが今まで度重なるトライによって辛苦を味わった結果出来上がったもので、この存在は巧妙に木々の存在によって隠されている。よってこの女の花園に開いた一筋の光はボクだけの専有物なのだ。よくここから侵入して素晴らしい写真やメイクアップなどを眺めて楽しんでいる。ボクの生きがいの一つだ。
そんな抜け穴に近づいていると、何やらジャンプして必死に壁をよじ登ろうとしている女の子がひとり。ボクはそれをじっくり眺め、一枚写真に収める。うむ、中々に揺れていたぞ。
「ちょっと・・・・・・やめて・・・・・・」
今にも消え入りそうな声でボクに呼びかける。もちろんボクは変態紳士なので、困っている女の子が居たら直ぐに駆けつける。しかもこの学校の生徒となればなおさらだ。まずは裸のご挨拶といこう。
「いやあ、思わず可愛くて撮ってしまったよ」
ばっちりスカートの中を取れる角度から食い入るようにカメラを覗いている裸の人間を、ウブな女の子が見たらどのように映るだろうか。きっと普通であれば叫び声を上げて警察を呼ぶだろう。しかし、その女の子は過度なリアクションを起こさない。まさか、見られることによって興奮する性癖なのか?
「いや・・・・・・だめ・・・・・・」
やはりそうかも知れない!これは貴重なHENTAIだ。
「そうか、そうなのか。見られるのに興奮するんだ」
一歩ずつ、彼女との距離を縮めていく。そのたびに彼女の表情が曇っていく。遂に彼女の足に触れられる距離まで来た。手を伸ばし足首を掴もうとしたその時。
「アンタ、なにやってんのよ!!」
壁の向こうからワダジマエイミが降臨する。既に朝のHRでも始まっている時間だというのに、なにゆえ?
「君こそ、もう授業が始まっているんじゃないのかい?」
「授業なんかどうでもいいよ!それよりアンタ行動の方が気になる」
「別に、いつも通りの日常を送っているだけだから」
「うっさい。その日常が犯罪なんだって」
ワダジマエイミはボクの首からぶら下げていたカメラを奪い取り、校舎に投げ捨てた。プロ野球選手も顔負けのストロークを見せ、見事にレンズは幾千の破片へと変貌を遂げた。
「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!ボ、ボクの相棒がああああああ!!!!!」
「また有り余ってる金で買えば良いでしょ」
あのカメラには・・・・・・、秘蔵コレクションが内蔵メモリにたんまりと残されていたんだ。このままカメラが再起不能になってしまえば、それらのデータが取り出せなくなってしまう。いや待て。今この場の状況を考えるんだ。壁の上にはワダジマエイミ。更にHENTAI候補の女の子が壁をよじ登っている最中だ。ワダジマエイミとこの女の子のダブル花園が見られるんじゃないのか?二輪の華が同時に咲くことなんか、生きているうちに早々出会すことは無い。カメラさえあれば最高だったのに。しかし、人間には眼というレンズがあり脳というフィルムがある。これさえあれば、何だって『記録』出来る。
その『考え』を察知したワダジマエイミは、すぐさま壁から降り立ち、それと同時によじ登っていた女の子を壁から引き剥がす。
「なにパンチラ見ようとしてるの?」
「いや、そこにスカートがあったからですよ」
昔のHENTAIは、なぜ貴方はスカートの中を覗こうとするのですか?と尋ねられたときにこう答えたという。
「じゃあ女装した奴のスカートも見るの?」
「もちろん。隠されているものを暴くことに意義があるからな」
「うわ・・・・・・男も範囲内とは」
ワダジマエイミが思いっきりどん引きしている中、女の子は頬を緩ませ、恍惚の表情を浮かべている。
「もしかして、あ、貴方は・・・・・・バイなんですか?」
女の子が甘い吐息を漂わせこちらに近づいてくる。赤い縁の眼鏡と三つ編みカチューシャを装備した彼女に最早死角はなかった。
「ハハ!可愛いモノであればなんでも来いさ!ロリから老人まで、男から女まで可愛ければそれがジャスティスだ」
「そ・・・・・・そうなんだ。へへ、う、うれしいなぁ」
そう言うと、彼女はおもむろにスカートの中に手を入れ、何かモゾモゾと動いている。これは、もしや・・・・・・
「え?うそでしょ?」
ワダジマエイミが呆気にとられている間に、事は起こってしまった。そう、彼女は頬を赤らめ、スカートの中の四次元ポケットから、桃色のパンティーを取り出してきたのである。
「わ、わたし、ハタノミキ。お、お友達に・・・・・・なってくれますか?」