俺、就職します。
二見とあんな事があった翌朝。俺たちは大広間に集まっていた。
食堂で朝食を食べていた時、カルムが俺たちに大広間に来るようにと言われたのだ
という訳で俺たちは大広間に集まった
すると、そこには大きな水晶玉と神父らしき人がいた
俺が思考を巡らせていると、カルムが前に出てきて言った
「これからお前たちに、職業を与える!」
は?やだよ。俺は生涯を自宅の警備員として過ごすつもりなんだよ。ふざけんな
「職業と言っても、自分だけの固有スキルを与えるということだから職ではないがな」
なるほど。ゲームでいう勇者とか魔法使いとかのことか。納得
「では、一人ずつ前に出ろ!」
………誰もでない。さすがに最初は恥ずかしいよね、と、思っていたら
「私がやります」
神無が出てきた。さすが生徒会長さん
「まずは、この水晶玉に触れろ」
神無がカルムの言う通りにすると、水晶玉が淡く輝いた
神父は少し目を瞑り、目を開いて言った
「六羽神無、お前に大賢者の職を与える」
神父の言葉に周りがざわめく。まあ、聞いた限り凄そうだもんな。でも、知力があれだけすごかったんだから当然か
「固有スキルは、【脳内検索】【絶対命中】【最善策】だ」
またなんか凄そうなやつだな
「次の者!前に出ろ!」
カルムの言葉で、多くの人が我先にと水晶玉の方に走る。俺と二見と一は、神無と合流した
「何か、凄かったな」
「ねぇ、固有スキルって具体的にどんなの?」
俺たちに聞かれて、神無はステータスプレートを見せてくれた
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【六羽 神無】
固有スキル
【脳内検索】
物事を瞬時に理解出来る
【絶対命中】
どんな攻撃でも100%ヒットする
【最善策】
物事の最善策を把握できる
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凄かった!
「まあ、皆行ってきたら?」
そうだな、早速行くとするか
順番は二見、一、俺の順になった
「如月二見、お前に中級魔法師の職を与える」
魔法師か。魔力凄かったもんな。
「固有スキルは、【中級魔法】【魔力消費】だ」
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【中級魔法】
中級魔法を使える
【魔力消費】
魔力の消費を減らす
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なかなかのチートだった
「睦月一、お前に勇者の職を与える」
勇者きたーーーーーー!流石だな、一
「固有スキルは、【攻撃力上昇(中)】【防御力上昇(中)】
【回復力(中)】【忍耐】【聖なる力】だ」
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【攻撃力上昇(中)】
戦闘中、攻撃力が上昇する(中)
【防御力上昇(中)】
戦闘中、防御力が上昇する(中)
【回復力(中)】
ダメージを受けたら自然回復する(中)
【忍耐】
戦闘中、命中率が25%上がる
【聖なる力】
魔物との戦闘時、攻撃力が上昇する
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勇者ぁぁぁぁぁぁ!さすがチートの塊!!
一も嬉しそうだ
「文月七河…」
次は俺か。一体どんな職になるのやら。贅沢は言わないからなるべくいいやつを………!
「お前に……」
カモン!チート職!!
「設計士の職を与える」
…………え?今なんと?
「すみませーん。もう一回言ってくれませんか」
「文月 七河、お前に設計士の職を与える」
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マジでかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
何!?設計士って何!?すっげえリアルなんですけど!?まあ、親が建築士してたからなんとなく分かりますけどね!?それでもひどくないですかぁぁぁ………
「固有スキルは、【座標】【解体(中)】【設計】だ」
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【座標】
半径500メートル内にある物体の大きさ、その物体から自分までの距離が分かる
【解体(中)】
物体を解体できる(中)
【設計】
物体の設計図を瞬時に理解できる
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なんとなく凄かった!結構なチートじゃないか
「その職は不人気な事でレアじゃぞ。今この世界は奴隷や精霊を利用しているから、そのような職は必要ないのじゃ。実は、そのような職になった者は一度だけ転職ができる。どうしたい?」
…………変えようかなっていう思いもあるけど、自分を選んでくれたこの職を手放したくない。俺は、この職で頑張ってみたい
「いいや、この職にするよ」
「………そうか、分かった」
こうして俺は、設計士になった