新しい朝が来る
俺たちが協力を受理したと分かった瞬間、カルムは俺たちを扉の中に入れてくれた。やはり扉の中は凄く、とてもゴージャスだった。
カルムは王宮の中を案内した。
一番凄い造りの大広間、生徒全員が入ってもまだ入れる食堂、数え切れないほどの本が置いてある書庫、一人一部屋ある寝室、校庭の何倍もの広さを持つ訓練所エトセトラエトセトラ……………なんと言うか、凄いの一言でしか表せなかった
そして俺たちは食堂で夕食を食べた。浪十先輩の件で食べられなかった人がいたが、夕食はそれなりに美味しかった
その後は自由行動となり、俺は自分の寝室に入り今日の事を考えていた
いきなり神に異世界に行くように言われて、半強制的に魔王討伐を受理して、本当にいろいろ有りすぎた一日になってしまった
俺は平穏に生きたかったんだけどなぁ、どこで間違えたんだろうか
日本に帰ったらあの神を訴えてやる。日本国憲法ってご存じですか?人権を尊重しやがれ
神に対しての怒りがふつふつと沸き起こってきた
すると、いきなりドアがノックされた
「は、入ってもいいかな?」
なんだ二見か
「別に構わないぞ。入れよ」
俺に言われて二見が入ってくる。やはり、今日の事があったせいで少しやつれているように見える
「どうしたんだ?こんな時間に」
「あ、あのね。少し眠れなくて。少しお話したいな~って思ったの。め、迷惑だったかな?」
なんだそんな事か
「別に。迷惑じゃねぇよ」
「そっか。ありがとう」
そう言って二見は、俺の隣に腰掛けた
………………………………………………………………………………………………………き、気まずい。
子供の頃はよく泊まりに行っていたが、中学生になってからだんだん時間が無くなってきて、泊まる機会が無くなっていた
………せ、せっかくなんだから何か話さないと
「「あのさ」」
ああああ被ったあああああ!!被っちゃったよぉ!!すっげえ気まずいんですけどぉぉぉぉ!!!!ほら二見だって真っ赤になって俯いてんじゃねぇか!!
「お前から話せよ」
「う、うん」
少し深呼吸してから二見は口を開いた
「七河は、今日の事どう思った?」
「……たくさん有りすぎて能内収集が追い付かねえよ」
「わ、私もそう思った」
そして会話が途切れる
「わ、私ね、とても怖いんだ。いきなり異世界に連れてこられて、浪十先輩があんな事になって、もう何が何だかわからなくて。明日の朝を安心して迎える事が出来るのかなって」
二見は一気にそう言った後、顔を俯かせてしくしくと泣いてしまった
………確かにあいつの言う事はよく分かる。この世界に来て、世界のルールはとても変わってしまった。俺も怖い。怖いのは俺も一緒なんだよ。ちくしょう。
だから俺は、
………二見を強く抱きしめた
「……七河?」
「……俺も怖い。元の世界に帰れるかも分かんないし、帰れる時に生きていられるかも分からん。だが、俺がお前を守ってやる。元の世界に帰れるまでお前を守り続ける。だから安心しろ」
二見は俺が守る。家族なんだから
二見は、俺の腕の中でしばらく泣いた後、俺の顔をじっと見てこう言った
「ありがとう」
「……………ああ」
「じ、じゃあおやすみ」
「ああ、おやすみ」
そして、二見はにっこりと笑い、自分の部屋に帰っていった
…………………………
ふぎゃあああああ!!すっげえ恥ずかしーーー!!!ものすっごい事喋っちゃったよ!!!
『俺がお前を守ってやる』
脳内にそのワンフレーズが繰り返されrああああああああああ
ああ、生まれ変われるならもうミジンコになりたい。てか、もういっそのことミジンコにしちゃってぇぇぇ
……………俺は恥ずかしさにより一睡も出来なかった
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【二見side】
私は自分の部屋に戻った瞬間、ベッドにうつ伏せになった
…………………………………
ああ、とっても恥ずかしいよぉぉぉぉぉ。もう七河に顔向け出来ない………
『俺がお前を守ってやる』
あの言葉とっても嬉しかったな。ずっと守り続けるだなんて。これからもずっと、ずっと私の側で……………
って何考えてんの私!!そんなんじゃないってばあ!!!そうだ、違う事を考えよう!
今日のご飯あんまり食べられなかったなぁ。あんなにいい匂いがしたのにもったいない………そういえば、七河に抱きしめられた時少しいい匂いがしたなぁ。体も引き締まっていて、前と全然違っていtああああああああああ!!!!違う違う違う違う!!!!!
…………私は恥ずかしさにより一睡も出来なかった