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誰にもバレずに人類の頂点になりました  作者: 足森悠里
第一章
3/15

そうだ、異世界に行こう。

光が薄れていくと周りがはっきりしてきた



そこは、…………………………………金だった


『金だった』という表現は自分でもおかしいと思うが、

その言葉でしか表現の仕方が分からない


まず目に入ってきたのは、黄金でできた扉だった

次に周りを見渡すと、黄金のシャンデリアや黄金の天井、黄金の床、黄金の像エトセトラエトセトラ………とにかく金でできた物しか見当たらなかった


………こんなに金があるなら日本にも寄越せよ。あそこにあるぶっさいくな像持っていっただけで絶対大金持ちになれるから

いや、ちょっとだけもらっちゃってもいいんじゃね?

この床の金を削って、日本にもって帰ろう。うん、そうしよう絶対大金持ちになれる



こんな心のやり取りをしていたら、いきなり大きな音が響いた


なんだよ、邪魔すんじゃねぇよ。せっかく俺の脳内に完璧な将来設定がひらめいたのに


少しキレ気味に頭を前に向けると、



…………ぶっさいくなおっさん(その他大勢の甲冑騎士)がいた



あれ、こいつってあのぶっさいくな像の人じゃん

あの像のモデルってどんだけぶっさいくかと思ってたけど、流石だな、ぶっさいくだ。



「おっほん、我がこの世界の王である。我が直接話しに来てやったぞ。光栄に思うがいい」



え、マジで。こいつがこの世界の王なの?うわぁ、この世界オワタ。周りの皆もドン引きしてるよ



「うむ、我の美形に驚いておるか。まあ、当然だがな」


こいつどんだけ自己中なんだよ。ナルシストグランプリと勘違いグランプリW受賞できるぞ。うん、間違いない。俺が保障する



「さて、本題に入るとするか。聞いての通り、この世界は滅亡する。だから魔王を討伐してこい。以上だ。」


…………………………………………………………………………………………


え、終わり?


「それではカルム、後は任せたぞ」


いやいやいやいやいやいやいやちょっと待



「おい、ちょっと待たんかいワレ」


……3年の浪十(ろうじゅう) 蓮児(れんじ)先輩が、口を開いた



ここで浪十先輩についてを説明を


浪十先輩はこの学校一の不良だ

家系がヤの付くところらしく、高校を卒業したら代を継ぐらしい

今では「師走桜(しそうざくら)」という暴走族を結成していて、

学校では知らない人はいないという有名人だ


「さっきから勝手に話しば進めとるが、俺は『やる』なんて一言も言ってねえ。てめえに従う義理なんてねえんだよ」


おおお、先輩超カッケエエエエ


先輩の言葉で、たくさんの人たちが立ち上がった


「そうだ!先輩の言う通り俺たちはやるなんて言ってねえ!」

「早く元の世界に返しやがれ!」

「このブサイク野郎があ!」


どんどん声が集まってくる。これって、このまま頑張ったら帰れるんじゃね?



俺がそう思っていた瞬間……………





浪十先輩の右肘から先が、切り飛ばされた。




「………………………………………………ぁ」





「ぐあああああああああああああああ!!!!」





先輩の腕から、夥しい量の血が吹き出す

腕を固定していた骨が見え、ピンク色の肉がぼとぼとと床に落ちる

先輩の腕はくるくると回転し、近くにいた女子生徒の前で動きを止めた


…………………………………………………………………………



「い、イヤァァァァァァァァァァ!!!!!!」


この女子の悲鳴がダメ出しになり、皆は一気にパニック状態になった


逃げ戸惑う者、耳を防いで現実逃避する者、命乞いを始める者、

皆を落ち着かせようとする者、狂乱状態になった者、放心していた者、


まさに地獄絵図だった。俺もいきなりのことで何も動けずにいた



その時、


「黙れ!!静かにしろ!!」


不意に誰かが怒鳴った


そいつは体を甲冑で包まれていて、見るからに強そうな30代ぐらいの男だった

あの男の怒鳴り声で、皆は動きを止めた


「私の名はカルム。さっき国王から紹介があった者だ。そして、

その男の腕を切り飛ばしたのは私だ。さっきの非礼を許してもらいたい。だが、あれほどやらなければお前たちは従わないと思ってな。その男の腕は王宮の者達が修復する。心配することはない」


カルムが手を鳴らす。

その瞬間浪十先輩の周りに黒いローブを着た連中が現れて、浪十先輩に向かって何かを唱えた


すると、浪十先輩の腕が修復されていた。


マジか。異世界やべぇな。何でも有りかよ。チートすぎるだろ


「我々はお前たちが何かしない限り危害を加えない!我々の世界を救ってくれないか!?どうかこの通りだ!!」


そして頭を深く下げた


俺たちは、浪十先輩の件により植え付けられた恐怖と、自分たちが選ばれた存在であることの優越感に浸っていて、頭を横に振ることが出来なかった

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