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ぬるっと転移

初投稿です


誤字脱字ありましたら、

報告お願いします

『向田 光様


先日は、弊社の一次面接にお越しいただき、誠にありがとうございます。

慎重に選考した結果、残念ながら』


 俺は紙をぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に放り込んだ。


「何回目だっけ」


 それすらも忘れてしまうほどに、たくさんもらったことは覚えている。


 俺は深くため息をつく。もちろん、親には言わない。どうせ気をつかわせるだけだ。


「何やってんだか」


 面接必勝とか、そんな本を買いたくないと意地をはる自分は、

とっくのとうにいなくなっている。


 数少ない友達に頼るなんてことも、とっくのとうにしている。


気にいっていた髪型を変えて、短めにしたし、髪の色は当然黒だ。


 だが、受からない。


 これはいけるかも? とか、そんな期待を抱くのも疲れてきた。


「……寝よう」


 ちょうど面接帰りで身体的にも精神的にも疲れている中の、

この一撃必殺攻撃。


 俺の体力は限界だった。


 すぐさまスーツを脱ぎ捨て、ベットに体を投げ出し、天井を見上げる。


 明日の面接練習とか、今日の面接の反省とか。


 そんなものを全て忘れて、俺は目を閉じた。





「ねえ……きて」


「……」


 どこからか声がする。


 目を閉じていても分かる太陽の光に、俺は寝返りをうつ。


 もう日も出てしまったらしい。ということは、5時ぐらいだろうか。


 だとしても、まだ目覚まし時計が鳴っていない。


 まだ現実とは向きあいたくない。


 俺は無視をしてやりすごすことにする。


「ねえ、起きてよ。ここは危ないよ」


「……」


「起きてってば」


 さっきからうるさい。


 だから俺はまだ起きたくない。


 温かいベットの上でもう少しまどろみたい。  


「起きてって」


 今度は体を揺らしてくる。


 いい加減うざったくなったので、文句の一つでも言おうと目を開くと、


 そこには一人の少女がいた。


 長い栗色の髪は、まるでシャンプーCMにいた女優のようにさらさらしていて、

つやつやしている。


 瞳も同じ色で、じっと見つめられていると吸い込まれる気がする。


 次に、あたりを見渡してみる。


 俺と少女は草原の真ん中にいるようだ。草原の周りには木々が生えている。


 俺の家のに近所にないどころか、みたこともない場所だった。


「……そうか」

 

 僕は分かってしまった。


「夢か」


 彼女が欲しいという願望が夢になったのだろう。


 それがこんな女の子だってことは少し釈然としないが。


 俺はもっとこう、胸が大きい方がすきだから非常に釈然としないが。


「どうせ夢なら、こう、ボンキュッボンがよかったな」


「ぼん……?」


 彼女は不思議そうに首をかしげる。


「そのぼんきゅうぼんってどういう意味なの?」


「素敵な女性ってことだよ」


「ふうん」


 少女は目をぱちくりさせる。


「難しいね」


「子供にはまだ早いんだよ」


 答えていると、お尻に何か違和感が生じた。


 気になって触ってみると、


「……な、なにこれ!?」


 尻尾が生えていた。


「え、ええ!?」


「おにいさん、今驚いてるの?」


「お、驚くだろ!? なんだこれ!」


 まさかと思い、耳を触ってみると、


「耳が獣耳に、なってる」


「それと、おにいさんの目は縦に線が入ってるよ。黒い線」


「は、はあ。なるほど」


 猫みたいになってるってことか。


「ということは、俺は獣人になってしまったのか」


 獣人といちゃこらできるゲームとかはもちろんプレイしたことあるが、

まさか自分がなってしまうとは……


「……一体、この夢にはどんな意味があるんだ?」


 獣みたいに暴れたい、とかなのかもしれない。

 

 それだったら納得だ。実際、めちゃくちゃストレスたまってるし。


「ああ、そうに違いない」


 俺が一人でうなずいていると、少女は僕をじっと見つめてきた。


「ねえ、おにいさん」


「なんだ?」


 俺が優しく返事をすると、彼女が答える。


「あのね、これは夢じゃないよ」


「は? いや、夢だよ」


 夢以外考えられない。


「ううん。現実だよ」


「いやいや、ないない」


「でも……」


「まったく、しつこいぞ」


 俺は立ち上がって、伸びをする。


「どうせ夢なら、探検しよっかな。森の奥とかどこにつながってるんだろうな」


「危ないよ?」

 

「平気だって」


 さすがに夢の中で死ぬような真似はしない。


 俺が手を適当にふって、森の中に入ろうとするが、


「駄目だよ」


 少女が俺の手をつかむ。


「なんだよ、そろそろ怒るぞ」


「今は駄目。あいつが来ちゃうから」


「なんだよ、あいつって」


 俺が振り返ると、少女はうごきを固める。


「あ……」


 少女は俺よりも高い一点を見つめる。


 何があるのかと俺が振り返ると、


「……は?」


 大きな牙に、鋭い目。


 真っ暗でけむくじゃなそいつは、まるで熊のようだった。


 大きさはけた違いだったが。


「なんだ、これ」


「ジャイアントベアーだよ」


「な、名前は体を表すんだな」


 ジャイアントクマは一声吠えると、俺に向かって突っ込んできた。


 俺はあわてて横によける。すると、


「うわ!」


 なんか思ったよりも飛んでしまい、こけてしまった。


「い、痛い……?」


 ということは、もしかして。


「夢じゃ、ない……?」


 そんなはずはない。そう思っていたいが、この胸の中の恐怖感。


 これは明らかに、本物のもので。


 愕然としていると、あのでかくまが俺をにらんできた。


「ひ……!」


 懸命に逃げようとも、腰が抜けていて動けない。 


「う、うごけよ!」


 俺が必死に足をつかんでいると、腰のあたりに何か剣らしきものがあった。


「くう!」


 熊はもう目の前に迫っていた。


 もう、悩んでなんていられなかった。


 俺はその剣をひき、がむしゃらに振り上げた。


「うわああ!」


 剣を振り落とす。


 軽い手ごたえがした。


 当たって、ない……?


 俺はもはやあきらめて、目を閉じた。


 すると、何か液体が体にかかった。俺が顔を上げると、


「ぐわあああ!」


 熊が叫び声をあげていた。そのまま熊は苦しそうに頭を抱えると、

力なく倒れた。


「へ?」


 俺が茫然としていると、少女が駆け寄ってくる。


「おにいさん、すごいね」


「え?」


「だって、ビックベアを1人で倒すなんて、すごいよ。普通は強い人しか倒せないから」


「そ、そうなのか」


「うん」


 俺は握っている剣を見下ろす。見た目的には結構重いのに、まるで紙を持っているかのように

軽い。


「……なあ、君。これは夢じゃないんだよな」


「うん、そうだよ」


「……」


 もしこれが夢でないなら、俺は異世界にトリップしてしまったようだ。


 きっかけとかは全く分からないが。


 そして、俺はめちゃくちゃ強いようだ。


 つまり、よくあるチート能力をもって転移ってやつだな。


 それにしては、あっさりと転移したが。


「これは……面白いじゃねえか」


 小さい頃、ずっと憧れていた異世界に俺は来ているってことになる。


 そう考えると、忘れていた少年心が一気に湧き上がってきた。


「なあ。このあたりに町とかはないのか?」


「えっと、向こうかな? すぐ着くよ」


「そっか」


 どうせなら町探検したいし。


「なあ、案内してくれないか」


 そう尋ねるが、少女はぶんぶんと首を振る。


「私は案内できない」


「え? どうして?」


「できないから」


「……? まあ、いやならいいけど」


 俺は剣をおさめる。


「そういえば、お前、名前なんて言うの?」


「……名前?」


「ああ」


 少女は少し戸惑っているようだ。俺はそれに疑問に思いつつも、答えをまつ。


「……リン、だよ」


「リンか。俺は向田光。また会ったらよろしくな」


「うん、よろしく」


「それじゃあ、俺は町に行ってくるから。じゃあな」


 俺はリンに手を振ると、少女が指さした方向に歩きだす。


 異世界の町か。どんなとこなんだろう。


 わくわくしながら、俺は町へと向かった。


















完全に見切り出発です

暇つぶし程度に書いていますので

更新も気分次第です


これからよろしくお願いします

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