魔道関係
・魔道
有史以前から存在し伝承されていた技法を、約300年前にとある賢者が再構築・理論化した事象技法。
世界の理を生み出した、より高次の次元への“道”を知覚し進むことで超常的な事象を引き出すことが可能であるとされており、これを理論の骨子としている。
様々な制約のある物理法則を無視、逸脱した効果を得られる高効率の技法であり、当時の人類の認識・文明に極めて大きな影響を与えた。
生体魔道と機械魔道の2系統に大別される。
特に万人が恩恵を受けられる機械魔道は既存文明のブレイクスルーとして機能し、人々の生活水準を大幅に向上させた。
・生体魔道
人間が己が身体と魂で以って魔道のプロセスを踏むことで効果を発現させる技術・異能。
四つ(他説では五つ)の位階によって認識・管理されている。
先天的な才能の影響が著しく、その使い手こそ少ないため顕在化はしていないが、個人が世界のパワーバランスを左右しかねない極めて危険な要素を孕んでおり、古来より問題視されている。
この生体魔道の抑止となることが、機械魔道の重要な課題の一つとなっている。
・魔道使い
魔道を扱える者の総称。
一般的に下記の魔道位階のうち、第二位階以上の者を指す。
希少な人材であり、如何なる勢力・組織においても重宝される。
・第一位階“力”
魔道の最低位階。
魔道における高次次元への“道”の知覚が出来ないために、何か特別な能力を行使するといったことは出来ない。僅かばかり身体能力への恩恵があるのみである。
しかし、常人であれば活動不能な魔界において、低層であれば活動可能であることから十分に有用な才能である。
・第二位階“術”
高次次元への“道”の認識が可能となり、そして僅かでもその“道”を進むことが出来た者が、第二位階へと到達する。
この位階に到達すると、“魔術”と呼ばれる事象行使能力を扱うことが可能となる。
魔術の効果は本人の才能の指向性に影響されやすいものの、努力如何でその方向性を広げることも可能である。
身体能力や知覚能力も大幅に向上し、戦闘向きの魔術を扱える者でれば、基本的に真っ向勝負の1対1で第一位階、あるいは常人で勝ちを拾うことは極めて困難。
・第三位階“法”
高次次元への“道”をある程度歩み切ると、個人差はあれ“道”の認識が出来なくなる。その先は、魂すらも溶け消える無の領域であり、その中でも尚、我の強さ、信念、執着、渇望などを頼りに己の魂を維持出来た者だけが第三位階へと到達する。魔道における天才と称される領域であり、失敗すれば廃人となるリスクからも極めて希少な存在である。
この位階において発現する力は“魔法”。
使い手の魂の形容の化身とも言える武器や道具が具象化し、魔法の効果はこれを介して発現される。
その効果は物理法則と同列の一種の“法”として具現しており、その効果の強度は魔術とは比較にならない。魔法の効果に魔術で以って対処することは、ほぼ不可能である。
身体への恩恵も第二位階より更に跳ね上がり、第二位階とは別格の力を有している。
・第四位階“天”
世界という概念の外側に存在し、揺蕩っていると言われる神格に接触、その権能を世界へと顕現させる魔道の終着点“顕天”を用いることが出来る位階。
その力はまさしく神威の顕現であり、第三位階以下とは絶対的に隔絶した力を有する。
明確にこの位階で達していると確認されている者は世界でも4名しかおらず、未知の使い手を入れても十指を超えることはないだろうと言われている。
この位階に達している者は、“○天”といった、天の字を称する異名で呼ばれる慣例がある。
開始時点では、公式に“聖天”、“覇天”、“獣天”、“偽天”の4名が存在。
・第五位階“?”
魔道の祖である賢者の書き記した書物において、その存在を示唆されていると解釈ができる位階。
しかし詳細は遺失しており、その名称も、そのような発現形であるかも一切が不明であり、また、この位階に達した者も確認されていない。
それ故に、そもそもが第五位階などは存在しないとするのが主流である。
・機械魔道
魔道のメカニズムを機械的に行うことで魔道の効果を発揮する技術。
魔石という物質を構造材及び動力源に必要とする。
人類の文明・生活水準を大幅に向上させ、その技術は日々発展している。現在はこの機械魔道無しでは生活が立ち行かなくなるでろう国家や地域も少なくない。
現状、起こせる効果は第二位階の魔術に殉じたものが限界であることが殆どであるが、極少数であるものの、第三位階以上に相当する効果を起こせる魔道装置も存在する。
知識と資材があれば万人に扱える技術であることから、個人に依存する生体魔道を追い抜くことが求められている。