第三章 しょぼい武将と謎の少女 ―1477年 応仁の乱―
物語の都合上、実際の出来事や文献等に載っていることと(かなり)異なります。
あらかじめご了承ください。
〈Narrator Part〉
いきなり失礼。また先に話を進めると役目が取られかねないんでね。
次に二人がやってきたのは1477年。舞台となるのは応仁の乱。
応仁の乱とは1467年、足利八代将軍、足利義正の後継争いなどの要因などで発生した内乱です。細川勝元と山名持豊などの有力守護大名が争ったのですが、これがなんと十一年も続いたのです。
二人がやって来たのは年代からわかるように終息直前でした。
二人が降り立ったのは戦場のど真ん中だった。
「結衣、危ない!」
「きゃっ!」
二人の目の前を矢が飛び交い、刀を持った人たちが戦っていた。
「あの女、なんてとこにつないでくれてんのよ!」
「さすがに場所までは指定できないだろうからたまたまだと思うよ。とりあえず、どこかに逃げよう」
「うん」
二人が走ろうとしたそのとき、結衣が何者かに連れらされる。
「―――― !」
「結衣!?」
優斗は辺りを見渡すが人が多くて結衣の姿を見つけることはできなかった。
「まずい、こんな状況で連れ去られたとなったらどうなるかわからない……。それにノウェムは結衣が持ってる。早く見つけ出さないと」
とりあえず優斗は近くの高台に行き、そこから探すことにした。
その頃、結衣は……。
「なんなのよあんた! 人さらい!?」
「違う違う。女の子がこんな戦場にいたから助けてあげただけだよ」
結衣の目の前には、一応鎧を着ているがすごく弱々しい男だった。名を多田野兵刃という。親が武将だったので自分も武将になったが、生まれつき気が弱く喧嘩が弱い。今回の戦いもほぼ日和見していてなにもしていない。
そんななか、たまたま、戦場に出ていた時に結衣を見つけ、勇気を振り絞って助けたものの、誤解されその上、結衣は気が強いため、たじたじになっていた。周りの家臣も面白がって助けようとしない。
「私には連れがいるの! 助けたって言い張るならその人も連れて来なさいよ!」
「といわれても……」
「何? 出来ないっていうの? 武将のくせに? どんだけ弱いのよ。それじゃ、ただの人さらいの変態じゃない」
「うぅ……」
「ほら、とっとと家臣連れて行くわよ! 私がいないと誰だかわからないでしょ」
「はい……」
「多田野殿、行きましょう。どうせ何もしてないんだから」
「お前までそんなことを……」
家臣にまで言われ縮こまる多田野。それをよそに結衣は元気良く出発する。家臣たちも多田野というより結衣について行っているような状態だ。
こうして戦場に降り立った結衣たちは迫り来る敵を退けながらいろいろなところを探す。
「なんだ、あんたの家臣意外と強いじゃん」
「へ……?」
「そりゃもちろんこんな武将を守るためですもの。もし敵が多田野殿に手をかけたら敗北は確実ですから」
多田野の家臣は胸を張って言う。
「確かにね。こんな武将だもんね」
「ちょっと、みんなして悪口言わないでよ」
「言われたくなかったら早くあなたの父上のように立派になってくだされ」
「……っ……」
「あなたの父上」という言葉を聞いた多田野は一瞬しかめっ面をした。それを見た結衣は、
「?」
特に気にしなかったようだ。
高台に来た優斗は戦場を見渡す。しかし、結衣の姿はなかった。
「早く見つけないと……」
しかし、いくら見ても結衣の姿はない。連絡しようと携帯を取り出すが、今は室町時代。もちろん携帯は普通のもののため、電波はつながらない。
「やっぱり降りて探すしかないか……」
そう思い、優斗が立ち上がったそのとき、はるか彼方先の空に巨大な鳥のような生き物を見つけた。
「ん? あれだけ離れててあの大きさってことは……」
近づくにつれてどんどん大きくなっていく。その大きさは約五メートルあった。とても鳥の大きさではない。
「やばい、また新種の魔物か! ライフルは持ってるけど俺ひとりじゃ仕留めきれないな……」
鳥型の魔物は戦場の上空を飛び去っていった。しかし、引き返してきた。
引き返してきた魔物は優斗に向けて一直線。
「えっ、狙いは俺!?」
突っ込んできた魔物をなんとかかわす優斗。しかし、また突っ込んできた。
「とりあえず近くの森に……」
優斗は魔物の攻撃をかわしながら近くの森に入っていった。
「ふぅ、だいぶ探しましたね」
「そうね。でもいないわ……」
「…………」
結衣と多田野の家臣が会話する横で、多田野はじっと黙っていた。馬に乗っていただけなのにみんなよりも疲れたようだ。
「あと探してないのは……」
「他の軍の拠点、それと近くの深い森ですね」
「まさかほかのところに連れ去られてることはないだろうから、そうすると森ね」
「しかし、あそこに入って出てきたものはいませんよ」
「でも、優斗は知らずに入った可能性があるわ。……ちょっと待っててください」
そういうと結衣はみんなから見えないところに行き、ノウェムを取り出した。
「ふう、やっと出れた」
「話は聞いてたでしょ。レーダーでなんとかなる?」
「ええ、大丈夫です」
「それじゃあみんなにバレないようにうまく誘導して」
「わかりました。はぁ、でもまたすぐにポケットか……」
そう言うノウェムに「ごめんね」といいながら結衣はポケットにしまい、みんなのもとに戻った。
「お待たせ。森なら大丈夫。今森神様に道を訊いてきたから」
「なんと。それではあなたは森の民なのか!?」
「え〜と。うん、そんなとこ」
結衣のとっさの嘘を彼らは信じたようだ。
「それはそれは。では大丈夫ですな。多田野殿、行きましょう」
家臣が多田野に近づくと、多田野は逃げようとした。しかし、ほかの家臣に捕まった。
「なんで逃げようとするんですか」
「だって、入ったら二度と出てこれない森だよ! そんなところに進んで行くなんてバカだよ!」
「しかし、これはあなた様が引き起こしたこと。自分の不始末くらい自分でなんとかしていただかないと、お父上のようになれませんぞ」
また「父上」という言葉を聞いた多田野はついにキレた。
「みんな父上、父上ってなんなんだよ! 僕は僕、父上は父上だ! 比べるなんておかしい! 僕だって好きでこんなことやりたかったんじゃない! もう怒った。こんなこと今すぐにでもやめてやる!」
そう言うと多田野は兜と刀を投げ捨て、家臣の静止を振り切りどこかに言ってしまった。
「多田野殿……」
「仕方ないわ。多分こうなるだろうと思ってたし」
「気づいて……いらっしゃったのですか?」
「ええ。ま、だいたい気の弱い武将っていうのはこんな感じよね。しょうがない、私たちだけで行きましょう」
結衣は多田野が投げ捨てた兜と刀を身につけ、「よ〜し、今から私が武将!」なんて言って周りをわかしていた。
しかし、一番多田野の面倒をみていた家臣は、下をむいて暗い表情をしていた。
「マズイな。思っていたより木が高くてあっちからこっちが見えない分、こっちからもあっちを探すのは難しいな」
森の中、息をひそめる優斗は周りの状況を冷静に分析した。
木々の高さは十メートルほどあり、五メートルの魔物ですらすっぽりおおってしまう。また、背の低い木もあり、その全てにおいて葉っぱがかなりの密度で生えていた。そのため、魔物がどこにいるかわからない。
「これじゃあライフルも使えないし、ノウェムがいないからレーダーで探すことも出来ないな。下手に動くとどこから攻撃が来るかもわからないし。なんとかならないか……?」
優斗は考えるが答えは出てこない。すると、右の方から気をなぎ倒す音が聞こえた。
「もしかして体がでかい分長い間飛べないのか?だとしたらまだ勝機はあるか」
身をかがめて音が聞こえる方に向かっていく。少し進んだ先に暴れている魔物がいた。
「ここから狙えばいけるか……?」
優斗がライフルを構えたその時、
「ユウトー!」
「結衣!?」
そこには結衣と何人かの鎧を着た人たちがいた。
ノウェムのナビに従って森の中を進んでいく結衣たち。
「近くに優斗さんの反応があります!」
「どっち?」
「右の方です」
「右ね。行くわよ!」
右の方に走っていくと、茂みに身を隠している優斗を見つけた。
「ユウトー!」
「結衣!?」
優斗のもとに向かっていく結衣。しかし、優斗は、「来るな、来るな」と言いながら手でバツ印を作っている。
それでも結衣は会えたことが嬉しいのか気にせず走ってくる。が、途中で横に見える巨大な影に気づく。
「えっ!?」
結衣の横には体長五メートルの巨大鳥。その目は結衣を捉えていた。
「なんだあの化け物は!?」
「えーい、ひるむな! 結衣殿を守れ!」
一体いつのまにそんな関係になったのかわからないが、多田野の家臣たちは結衣を守るために攻撃を仕掛けた。しかし、矢が刺さっても刀で切ってもダメージを負っている様子はない。
家臣たちのおかげで結衣はなんとか逃げられたが、魔物の目はまだこっちを向いていた。
「なんなのあれ!?」
「どうみても魔物だろ! ノウェムはいるか?」
「はい」
「多分前の時代と同じように新種だろ。みんなで気を引いてるうちに解析してくれ」
「了解しました」
「よし、結衣行くぞ!」
「オッケー!」
二人は家臣たちのもとに行き、彼らと共に戦った。
魔物はかなり丈夫でアマスマでの攻撃も、優斗のライフルも、結衣の鞭も全く効いていなかった。やはりノウェムの解析が済んで、弱点を狙うしかないようだ。
しかも、魔物は体力を取り戻したらしく、また飛んでいってしまった。しかし、それは逃げたのではなく、攻撃の合図だった。飛んでいったと思ったら反転し、優斗たちの方に突っ込んできた。
「みんな、木々に隠れて!」
魔物はさっきまで戦っていたところに突っ込んできた。そのままそこにいたら死んでいたかもしれない。魔物はまだ体力が残っているのかまた飛んでいってしまった。どうやら空から優斗たちを探そうとしているらしい。
「ノウェム、まだか?」
「八十三パーセント完了……。離れられてしまったのでもうちょっと時間がかかります」
「やつが降りてくるまで待つか……」
「ねぇ優斗。あそこにいるのって……」
「あっ、あの女!」
結衣が指差す方にはあの女がいた。どうやら機械を使って歪みを探しているようだが、なぜかその腕には四〜五歳くらいの女の子がいる。
「あの女、戦いのどさくさに紛れて誘拐する気か!?」
「違う! あの子が着ている服見たことある! え〜と、たしか近くのデパートで売られている服よ!」
「ということは俺たちと同じように巻き込まれたのか!?」
「でもあの場に幼い子なんていなかったはず……」
「そうだよな。それにあの子だけで645年からこの時代まで来れるはずがない。となるとどういうことだ?」
「もしかして……」
「ん? なにか思い当たることでもあるのか?」
「ううん、なんでもない」
結衣は何か思い当たることがあったようだが誤魔化した。
「どうする? このままあの女ほっとく?」
「いや、事情を聞いたほうがいいだろう。魔物は結衣に任せた。俺はあの女に会ってくる」
「えっ、私が魔物倒すの!?」
「結衣の方が戦闘能力高いし、あの人たちもなんでか知らないが結衣を慕ってるみたいだから、そっちのほうがいいだろ」
「う〜ん、そうね。わかった。でもどうする? 連絡つかないからまた離れるのはまずくない?」
「多分あの女について行けば次に向かう時代につながった歪みにたどり着くと思う。そこで待ってるから、結衣はノウェムを使ってそこまで来てくれ。もし俺が居なかったら、ここで会おう」
「オッケー。それじゃ、がんばってね!」
「そっちも頑張れ!」
優斗は女を追って森の中に入っていった。
「はぁ、はぁ」
戦場からも、森からも離れたとある場所。兜も刀も持たない一人の男が歩いていた。名は多田野兵刃。父はそこそこ有名な武将。家臣もそれなりにいる。しかし、彼はその境遇を嫌っていた。彼自身気が弱く、争いが嫌いだから。しかし、周りの推されて自分も武将になった。だが、戦に出ても遠くで日和見。おかげで誰も死んだことはないが、何も得たことはない。ついに嫌気がさし、さっき逃げてきたばかり。しかし、彼に行くところはない。
「父上なんか……、家臣たちなんか……」
そういいつつも、無意識に歩いているうちに、いつしかさっきの森の近くに戻ってきていた。
「いつのまにここへ……? はは、戦場の近くに戻ってくるなんて、結局僕にも武将の血が流れてるってことか……」
そんな自分に落胆しながら反転して戻ろうとすると、
「きゃああああああ!」
「あの声は……!?」
多田野は無意識に声の方に向けて走っていた。
森の中を進んでいくと見覚えのある背中がみえた。
「おい、待てよ!」
「あらあら、優斗。また会ったわね」
「そんなことはどうでもいい。その女の子は誰だ?」
「この子? 明らかにこの時代の子じゃないから、もとの時代に帰してあげようと思って連れてるだけだけど、ちょうどいいわ。私は目的達成のために忙しいからあなたたちに任せたわ」
そういって、女の子の手を無理やり優斗につながせた。
「おばちゃん。おわかれ?」
「大丈夫よ、また会えるわ。おばちゃん忙しいから、このお兄さんについて行ってね」
「ちょっと!」
「おにーちゃん、なまえは〜?」
「優斗」
「ゆうとおにーちゃん。わかった!」
「じゃ、優斗。あとはよろしくね〜」
「待て、次はどの時代に行く気だ?」
「そうねぇ、まだ支障は出ないから教えていいか。この先に現れる歪みが次の目的地、1600年に繋がってるわ。それを使うつもり。ついてくるなら早く結衣を連れて来なさい」
そう言って女は歪みが現れる場所へ行ってしまった。
「結衣とは歪みの前で待ってるって言ってあるし行くか。そういえば君、名前は?」
「きいはきいだよ〜」
「キイか。どういう漢字書くんだろう?……ん?」
ふと、キイの服の下の方を見るとそこには名前が書いてあった。
「東川希衣…………東川!?」
その名前を見てびっくり。結衣と同じ苗字だ。
「いや、ヒガシカワって可能性もあるし、ただ同じなだけかもしれないし、それに結衣の妹は一つ下だから関係ないよな……?」
しかしそこで、さっきの結衣を思い出す。この子を連れた女を見たとき、彼女は何かに気づいたような感じだったが誤魔化していた。
「まさか……東川家の隠し子!?」
………………
「そんなわけないか」
「くっ……。ノウェム、まだ終わらない?」
「九十七パーセント完了……。もう少し頑張ってください」
魔物はまた体力が尽きたのか地上に降りて暴れだした。近づいたおかげで解析は早くなったが、正直こっちの方が危険だ。
「そろそろ家臣の人たちもやばそうだね……」
近くでは家臣たちが身を潜めて、ヒットアンドアウェイで戦っているが、既にほとんど息が上がっている。
「あと何パーセント?」
「九十八パーセント完了……。もう少し近づければすぐ終わると思いますけど、さすがに危険です。マスターに無理させるわけにはいきません」
「いえ、これ以上待ってたら全滅するわ! 私が行く!」
「えっ、ちょっ……」
結衣はノウェムを手に魔物の方に駆け出していった。
「結衣殿何を……!?」
魔物に急接近する結衣。魔物はそれに怯まず攻撃を仕掛けてくる。
「きゃああああああ!」
なんとか魔物の攻撃をかわしたものの尻餅をついてしまった。しかし、魔物は構わず追撃してくる。
「結衣殿!」
家臣たちが助けようと出てくるが、結衣から遠く間に合わない。結衣自身も尻餅をついたせいでとっさに動けず、回避も受身もとれない。
「いやああああああ!」
まさに直撃するというその時、森の中からひとつの影が飛び出し、結衣の前で攻撃を受け止めた。
「あなたは……!?」
「多田野殿!」
「おりゃ!」
さすがの魔物も突然飛び出してきたのには驚いたらしく怯んだ。
「マスター、解析完了しました! 弱点は翼の付け根です!」
「よし! くらえ!」
結衣が放った鞭が右翼の付け根に、アマスマから放った炎が左翼の付け根に当たった。
「ぎゃおおおおおおおおお…………」
魔物は断末魔をあげ、消えていった。
「やった!」
結衣がカッツポーズしている横で家臣たちが多田野に駆け寄っていた。
「多田野殿! 大丈夫ですか!?」
「全く、俺が逃げたとき誰も追いかけてこなかったくせに……。イタタタ」
「早く手当を!」
慌ただしく動く家臣たちから離れるように結衣は少しずつ後ろへ歩いていた。
「ふぅ。もう大丈夫ね。この時代も、あの人も……」
「そうですね。では、優斗さんのところに向かいましょう。そうだ、その前にあの魔物に名前をつけてくれませんか?」
「ああ、そうね。う〜ん、プテラノイドとか?」
「わかりました。それで登録します。それでは行きましょう」
「ええ。…………多田野さん、ありがとう」
少しして。
「そういえば、結衣殿は?」
「あれ、いない……。まだお礼してないのに」
「多田野殿は会ってないのですか?」
「ああ。助ける時も無我夢中で何がなんだか覚えてないし……。でも、お礼は言われた気がする。はは、助けたあと会ってないのに、なんでこんなふうに思うんだろう?」
「おお、倒せたのか」
「なによ、私に死んで欲しかったの!」
「そんなわけないだろ。冗談、冗談」
「もう。ところでその子は?」
「あの女に押し付けられた。名前は希衣だって」
「ふ〜ん、希衣ちゃんか」
「おねーちゃんだれ?」
「私は結衣。こいつの幼馴染」
「ふ〜ん。おねーちゃん、どこかできいとあったことある?」
「えっ! …………いや、ないわよ」
「そう……。じゃあおにーちゃん、いこ」
「ああ……?」
結衣の態度は釈然としないが、とりあえず次の時代に行くため、優斗たちは歪みに入っていった。
そのころ、西暦2179年。
「よし、できたぞ!」
本条博士の目の前にはタイムマシンよりいくらか小さい機械があった。そう、HT-001を探しだす機械だ。
「これで息子たちは助けられるぞ。笹野くん、早速始めてくれたまえ」
「はい」
笹野翔はずっと前から本条博士のもとでタイムマシンの開発を手伝っている研究者で、あの事件の三人の当事者のうちの1人である。
彼は目の前の機械を作動させ、表示された画面に従ってHT-001を探す機能を起動させた。数秒後、表のようなものが出てそこの一番上に「HT-001」と表記されていた。それをタッチすると「1600年10月21日」と出た。
「1600年……、安土桃山時代ですね。しかも、この年のこの日って関ヶ原の戦いが起こった日ですね」
「なんだと!? 優斗たちは戦争のなかに入っていってしまったということか!?」
「場所を特定します。……あぁ、まさに戦争している場し……」
「今すぐ助けに行くぞ!」
そう言って、博士は笹野を引っ張ってタイムマシンを起動させようとする。
「ちょっとまってください。博士まで行っちゃったらこっちで誰がタイムマシンの操作するんですか。それに博士は戦えないじゃないですか」
「はっ、そうだった。じゃあ笹野くん頼んだよ。そうそう、これを優斗に渡しといてくれ」
そう言って博士は優斗に渡す予定だった自作の銃を笹野に手渡した。
「分かりました。では、行ってきます」
「うむ、頼んだぞ」
そのとき、突然部屋のドアが開いた。
そこにいたのは一人の少女。
「まってお父さん!」
「お前は……!?」
どうも、kumihaです。
今回は応仁の乱を舞台にしましたが、正直関係なかったですね。
どっちかって言うと、謎の少女を出すための話だったり(笑)
さて、たまには作品についての話をしましょう。
なぜ、魔物なんて出したのか。
それは、もともとこの話はゲームにする予定だったからです。
少し前にお話したとおり、この作品はある大会に出しているものですが、
その大会にはじめはゲームを出そうと思ったのです。
そこで、僕がシナリオを書いて友達がRPGエディターを使ってゲームを作って
それを出そう、って考えていたのですが、
話にあうグラフィックがなく、しかも誰もグラフィックを作れずボツに。
そのあと、いろいろあってシナリオを小説化しようってことに決まり、
今に至ります。
ちなみに、魔物はこれからもちょくちょく(でもないかも)絡んできます。
では、また。