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プロローグ 隠された事故 ―2164年 タイムマシン事故―

物語の都合上、実際の出来事や文献等に載っていることと(かなり)異なります。

あらかじめご了承ください。

 けたたましく鳴り響く警報音。その音を発しているのは巨大な機械――タイムマシン――だった。

 時空間移動の研究のため、日々精力的に活動しているこの研究所だが、今日は全く違った。

 大勢の人があわただしく走りまわり、研究所の人たちは外に避難していった。

 そんな喧騒の中、研究所内のとある場所、頑丈な扉でふさがれた先の部屋で三人の研究者と思われる人たちが、必死に、部屋の奥にあるタイムマシンとその周りにある無数のパネルをたたいたりモニターを見たりしていた。

 三人の内、一人はこの研究所で一番偉い博士。残る二人はその博士の妻と助手だ。

「くそぅ、一体どうなってるんだ……?」

「大変です、博士! タイムマシンが勝手に時空の歪みを作り出そうとしています!」

「なに!?」

「しかも、かなり大きいものを作ろうとしてるみたいね……」

「博士、僕たちも逃げたほうがいいんじゃ……」

「このまま放っておいて暴走し続けたら、研究所、いや、この地域、この国、もしかしたら世界中を飲み込むかもしれん! なんとしても止めなければ!」

 そう言って三人はなお頑張り続けるが、機械の暴走が止まる様子はない。

 ついにタイムマシンは時空の歪みを作り始めてしまった。

「くそ!」

 三人は、それでも諦めずになんとか食い止めようとするが、その努力を嘲笑うかのように時空の歪みはどんどん大きさを増す。

 そして、ある程度大きくなったとき、時空の歪みはまるでブラックホールのように周りの物を吸い込み始めた。

「みんな! 何かに掴まれ!」

 部屋の外に出るという手段もあっただろうが、タイムマシンの近くで作業していたため扉にたどり着くことは不可能だと判断したのだろう。

 その言葉を聞いた他の二人も近くの掴まれそうなものに掴まってなんとか耐える。

 しかし、どんどん強力になっていくその吸引力に女性の力で耐えるのは不可能だったようだ。

 ついに博士の妻が弱音を吐き始める。

「もう、無、理……。せめてあなた達だけでも助かって……」

「そんなこと言うな! まだ何とかなるはずだ! さあ、私の手に掴まって!」

「ええ……」

 妻を支えるために差し出した手。

夫に支えてもらうために出す手。

その二つが重なろうとしたその時、さらに増した吸引力に彼女は勝てず、ついに掴んでいた方の手を離してしまった。

「あっ……」

「―――― !」

博士は妻の名前を口にしようとしたようだが、近くのものを掴むのに必死で言葉にならなかった。

彼女はそのまま一切抵抗できず、渦の中に飲まれていった。

 もう自分たちもだめか、残された二人がそう思った直後、何かがはじけ飛ぶように時空の歪みは消えた。

 危機は去ったものの、なぜ突然消えたのか今でも理由は不明。

 しかも、大切な人まで失ってしまった。

 倒れこみ肩で息をする助手の横で、博士はしばらくその場に茫然と立ち尽くしていた――――。


 それから数日後、世間にはこう公表された。

 ―タイムマシンの警報音はただの誤作動で何も事故はなかった時空間移動の実験には何の支障もない-

 時空間移動の研究は国をあげてのプロジェクトだ。

 もし、事故なんか起こして、その上一人でも行方不明者が出たなんて報道されたら、反対派がそれを口実に攻撃してくるに違いない。

 そのため、会議を開いた結果、事実を公表しないと決定された。

 しかし、その会議に本城博士はいなかった。

 博士は、息子と娘に本当のことを話そうか迷った。しかし、息子はまだ二歳、娘に至っては生まれたて。伝えてもわからないだろうということで、本当のことを話さなかった。

そしてその後も話す機会は無かった。


 余談だが、その事故から数日後、本城博士の妻が交通事故で亡くなったと小さく報道された――――。



〈Narrator Part〉

 みなさん、こんにちは。

 私はこの物語の語り手。名前は…………まあ、後々お教えしましょう。

 今見てもらったのは西暦2164年に起きたタイムマシン試作機の事故です。

 事件が起きた場所は、現在「タイムマシン記念館」がある場所にあった研究所。当時ここでは、世界に名をとどろかせるほど有名な研究者、本城歩夢ほんじょう あゆむ博士を筆頭に「時空間移動タイムスリップ」の研究をしていました。そこでの長年の研究の結果、世界中に無数にある「時空の歪み」を通ることで時空間移動することができるとわかりました。

しかし、時空の歪みには大きな三つの問題がありました。

一つ目は、実体化しないと機能しない、ということでした。もともと時空の歪みは見ることができないため、当時できたばかりのある機械で実体化させないと使うことができなかったのです。

 二つ目は、どこに出現するかわからない、ということでした。かなり数があるとはいえ、時空の歪み自体はあまり大きくないのです。また、不定期に現れたり消えたりするので見つけるだけでも大変なのでした。

 三つ目は、時空の歪みがどこの時代とつながっているのかわからない、ということでした。しかも、ただでさえどことつながっているのかわからないのに、二つ目に述べたように突然消えてしまうこともあるので、うかつに入ってしまったら、かなりの確率でもとの時代に戻ってくることは出来ないのです。

 このように問題に問題が重なり、時空の歪みを見つけたまではよかったものの、見つけてからしばらくは使うことができませんでした。

 しかし、その三つすべての問題を解決する機械を本城博士は作り上げました。

 その名も「タイムマシン」。

 はるか昔にあった国民的アニメに出てくるもののように乗り物型ではなく、超巨大で構造も複雑ですが、行きたい時代を設定すればその時代とつながった時空の歪みを始めから実体化した状態で作り出すことができるのです。しかも、時代同士がつながったままの状態を維持することができるので帰ってこれなくなることもありません。

もう問題はなさそうに見えますが、あえて挙げるとすれば、現代で制御する人が必要なのと、現代から未来にはなぜか行きにくいということでしょう。結局この問題を解決する方法は未だ見つかっていません。

 事件の話に戻りましょう。

 当時、隠された事実を知っていたのは当事者たちと国のお偉いさんだけでした。しかも、このことはそれからタイムマシンが完成する十五年後まで隠され続けたのです。

 そしてこのことが、これからお話しする今までの歴史を変えかねない事件を起こすきっかけとなるのです――――。

はじめまして。kumihaと申します。

ごくごくフツーの高校生です。


この作品が初めての投稿となります。

部活で出ているある大会の一環としてこの作品を作っているのですが、身近な人たちだけだと感想を得にくいので、友達から紹介されてここに投稿させていただきました。


今回はプロローグということで、まだ本編は始まってませんが、どんな感じでしょうか?

まだ右も左もわからないので様々なアドバイスを頂けたら幸いです。


既に続きもできているので、近いうちにどんどん投稿していきたいと思います。

短いですが挨拶はこんな感じにさせていただきます。


これからよろしくお願いします。

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