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【 so time number 】
次から次へと浮遊する。
項垂れた一点が気になって仕方がなかった。
4枚切りの分厚めな時間。
荒れた両手を重ねて
唯一となって溶けていく。
そんな長いあっという間。
甘めな横顔が現れたのは最初の1ページ。
箱を開いたら空っぽで。
歌を聴いたら重かった。
それじゃあ浮かばないよ。浮かばないんだ。
手元に残ったのは掻き集めた15ポイント。
さぁ、何に使おうか。
何に使ったら笑えるのだろうか。
そうやって巻き毛の彼女は
右か左か。
いつも首を振ってばかり。
そんな狭間に。
大きな犬は何も残さず逃げて行った。
それは1.2倍速の空回りな時間。
アリンコが持っていった一欠片は
大事な何かを未完成にした。
そんな不揃いな合間で。
シュワシュワと。
ハジけたリンゴは笑う。
誰のために気を抜けばいいのだろうかと。