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【 End of the Avarice. 】
『影が怖い』と呟くアノコに
『大丈夫?』と声をかけたキミ。
アノコの眩しさに照らされたキミは
アノコの明るさを求めて
段々。
段々。
周りが見えなくなっていく。
だからね。
自分が影になっていることにも気付けない。
有耶無耶な曇り空に苛立って
アチラコチラ。
誤魔化しの光を求めたキミは
どんどん。
どんどん。
影になっていく。
寒さを感じて気付いた頃には
真っ暗闇の深い底。
呑まれたキミには誰も触れられない。
だって。
見えやしないもの。
あぁ。
ザンネンだ。
ザンネンね。
震えてしまうぐらい。
その姿は滑稽なのよ。