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【 A sketchbook to laugh at 】
口の中で色んな味がして
溜め息に押される舌先は
乾きながら引き続き残業中。
ごめんね。
アナタに負担が掛からぬように
他の何かで一杯になっていたいよ。
気が付いたら
いつも気にするのは右側で
いつも適当なのは左側。
こんなのって不公平よね。
そう問いかけてみたって
何もこたえてはくれないかもしれない。
寂しさに負けて偽りを求めても
差し出されたモノはマガイ品。
輪郭を味わう前にボロボロと過ぎ去って
強く抱きしめていたくても脆く崩れていく。
パラパラと喜ぶスケッチブックは
相も変わらず描きかけの今ばかり。
だからね。
『ありがとう』なんて
今日も言えずに飲み込んでしまったよ。
そんな小さな積み重ねも出来ないアタシは
無力を通り越してきっと無愛想。
それ以上はダメ。
内側からアノコが止めるから。
アタシは手のひらを胸に当てて
ギューッとしているの。
それが進まないようにさ。