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【 CALENDAR 】
ベッドに入ると夜は正直で。
数秒前の誤魔化しは
跡も残さず逃げていった。
窓辺の雨降りと御一緒に
アタシの両目も水溜り。
明日来るかも知れない。
そんなアタシの些細な幸せを
どうかアノコの世界に渡してやってくださいな。
その代わり。
明日来るであろう。
そんなアノコの重大な辛さを
どうかアタシの隙間に埋めてやってはくれないか?
流れるモノを何度も数えながら
そう神様に交信していた宵の口。
傘を差した夜ならば
越えた朝は晴天であって欲しいって。
ただそれだけのことなのよ。
アタシが持ち合わせている幸せなんて
大したものではないけれど。
それでもね。
明日。
アノコが笑顔でいられるのなら。
明後日。
アタシは笑える気がするの。