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【 one's inner voice 】
サッと歌って。
軽く飛んで。
指先を握り合いながら
ダンスをしましょ。
こんな日も行きたい場所は同じ。
小さな街角でだって
アタシはちっぽけな存在。
それは変わらない。
尻尾から出た煙は誰を追いかける?
みんな触れてるくせに
みんな両手を隠すから。
弱虫な口元は
小さな牙も出せずに
虫歯へと身を捧げてしまうのよ。
そうやって堂々と笑えない顔は
ギフト用にラッピング。
そんな雑踏の中。
キミの知らない何かを知って
無知なアタシは余計に臆病になっていくわ。
ほらね。
ただデタラメに繰り返して。
キミの言いたいことも聞かずに
アタシは大声で歌っているの。
ねぇ。
キミの見える姿が大好きなんだ…って
そう。
ちゃんと言えるように
アタシは声を小さく出来るかしら?
わからないよ。