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【 Te 】
薄い眉毛が似合うのはアナタだから。
鋭い目元が映えるのもアナタだから。
誰がそれを真似たって
お飾りモノ。
リセットしたって
染みとなって
その跡は締め付けるように残るだけ。
感情の照り返し。
防ぎようも無くて如何しようも無い。
不自由な両手は苛立って
一番柔らかい感覚を
不必要に掻き毟ってしまうんだ。
まどろみの中。
目が覚めるような色を味わって
ドロドロと一緒に溶けてみたくなった。
そんな夕暮れ。
同時進行は出来なくて
ブチブチと途切れては
すぐに諦めて数えるばかり。
寄り添うように探るのは
夢路であって欲しい。
重たいモノは投げ捨てて
軽いモノは吹き飛ばし
ただ自分勝手にいたいって。
それだけよ。
だから。
叩き壊してみたんだ。
でもね。
そこから生まれた世界が
あまりにも卑怯で
とても頼りないから
アタシは舌を出して首を振ったの。
こんなのは違うって。
心の底から認めたくなかった。
なんて言い訳並べて
また壊してみせるわ。
アタシでいられるのなら
何度だって。