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【contrary person】
アノ日を振り返れば振り返るほど
歯痒さでいっぱいになる。
言いたいことも言えないぐらい
目の前の現実が嘘のようだった。
どんなに余所見をしても
明日を迎えるアタシは
何でもない一瞬に締め付けられてばかり。
小さな嫉妬も深い寂しさも
キミへの想いだと気づかされたんだ。
背伸びをしたって届くかわからない。
近づいたような気がするほど
遠くに感じてしまうよ。
このまま…
この気持ちが望む形にならなくても
焦がれる想いにアタシは支配されている。
きっとそう。
だから…
今のアタシは
どうしようも出来なくて
無意味に一人。
化粧をしながらアナタヘの愛を詠う。
溢れる想いに
アタシだけ溺れるのが許せなくて
ただ誤魔化していたいだけ。
聴こえなくたっていい。
伝われば充分なのよ。
自己満足から生まれる表現力。
これがアタシなんだと
また気づかされて嫌になる。