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【甘苦】
洗われない痛みは優しくて
自分への甘さが増していく。
染みこんだカラダは軟弱で
激しい雨に打たれたら負けてしまう。
とんがった先は
大切なモノへの道しるべ。
アタシの足音だけが彷徨っていた。
コタエはわかっているのよ。
でもね
映し見えた言葉達は背中を向けてしまうんだ。
迷いに迷って息苦しい。
そんな時を楽しみながら
真っ白な世界でアノコが笑っているの。
マイク片手に鼻歌を。
少しも漏らさず全身へ。
こぼれゆくモノは拾えない。
だから
空っぽになったのは両手。
最初から理解なんて求めてないよ。
まばらなモノに引っ掛かってくれるならそれでいい。
常に変える何かは潜んでて
それに気付けばもう違う世界。
だから
煮詰めたジャムはまだ未完成。