51/106
【幸福追求者】
もっと狂わせて欲しかった。
そんな一瞬。
幸福な夢を見ていたの。
心地良い余韻に浸っていたかった。
こんな一夜。
不幸な夢が甦る。
知ったかぶった哀れな奴にウラで殺意を感じたわ。
あぁ…
今日のご褒美が台無しね。
そう思うと悔しくてまた眠れない。
ねぇ?
こんなアタシでも許して。
こんなアタシでも真実。
本物でいられなくても真実でありたい。
ただ、それだけ。
返ってくる惨めさに溺れそうになる時もあるよ。
でもね…
足が着かなくたって、何処かへ引けば道ができるかもしれない。
アタシはそう信じて過ぎていたいの。
自分勝手でも構わない。
昨日の自分に追われて
明日の自分を追いかけるのは
今日の自分だから。
沈んでたって
歩んでたって
止まらないのは誰もが同じ。
どんな瞬間もいつかは受け入れるしかない。
だから…
ミンナ不揃いな幸福を追い求めているのかな。