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【singing voice of tiles】
今日はどれにしよう。
無造作に並べられたタイル。
指先合わせお喋りするの。
限りなく続くから
目線の先は待ちくたびれて
居眠りしているのね。
大きなヘッドホン揺らして
アタシは世間話。
しつこい曲に涙して
溺れた耳元でリピート。
触れたあの子は照れくさそうに
はにかんで笑っているの。
崩れて崩れて
アタシを解かしていく。
ごめんね。
痛いのかもしれない。
でも
そんな素振り見せる前に
顔を覆ってしまうじゃない。
小さなシアワセほど
強がりな痛みは大きくて
大きなシアワセほど
傲慢な痛みは小さい。
重たいから
儚さに気づけて
単純だから
大切さを思い出す。
また絡まってしまったのなら
最初から解けばいい。
簡単に切らないで
指先で辿っていけばいい。
次のあの子は
そう静かに教えてくれた。
色々知りたくて
色々気づかせて欲しい。
だから
アタシはじっくり選んでいる。