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【solar flower】
描いた未来は
下書きに過ぎなくて
まだまだ味気無いモノ。
使いたい色は数え切れなくて
持っている色じゃ足りなくて
アタシは足りない色を
細い鉛筆で必死に描いているの。
途切れず続く大事なキャンバス。
振り返ればアチラコチラ。
不満足な部分は顔を覗かせる。
与えられたこの場所に
消しゴムなんて無くて
塗り潰すだけしかできない。
でもね
それじゃダメなの。
描かせてくれるキャンバスが
泣いてしまうよ。
これから出会うキャンバスが
もっと
真っ白でいられるように
ずっと
光に照らされるように
塗り潰してきた過去に花を。
消し去りたい記憶に太陽を。
風の匂いも
聴こえてくる音も
無愛想なゴミだって
アタシに色を教えてくれる。
アタシは不器用だから。
早歩きしながら
描くなんてできないよ。
這いつくばって
両手で触れて
笑いながら
泣きながら
思い出して
自分なりの歩幅で
感じたまま描いていたい。