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【wiring diagram】
アタシのカラダを伝う配線。
どれも自己主張が激しくて
絡まってばかり。
割れ欠けた爪は
解けずに引っ掛ってばかり。
スムーズに出来ないのは毎回で
冷静になれないのは当たり前。
イライラしながら配線達は
こんなアタシを包んでくれる。
優しいのか冷たいのか
アタシには判らなくて笑えた。
自らにつまずかないように
慎重に歩くほど転んでしまう。
大股に歩いても
小股に歩いても
アタシは上手く進めない。
その不器用さを笑うかのように
周りは早歩きで見えないよ。
息切れしそうな横顔見つめて
自分の歩幅で歩く。
それが理想なの。
踏み出せない世界が多いだけ。
途切れない配線も巻き込んで
止まったモノを動かしたい。
でもね
独りぼっちは寂しいよ。
だから
アタシと一緒に手を繋ぎながら
ゆっくり歩いてくれる?