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【□Vague memory□】
何となく淋しそうに…
荒れた唇が唄う。
起き上がれず地団駄。
昨日の自分は泣いていた。
アタシの朧気な記憶は
カラダの奥底で沈殿している。
深い深い記憶達…
眠るように動かない。
怠け聴こえる寝息は何だか気持ちよさそう。
どれひとつ起こせない。
過去に描いた未来に
アタシは惑わされてばかり。
無力だわ…
こんなアタシでも今を過ぎ生きている。
何にも無い日でも
今日という日はあって
どんな形でも残せたらいいな。
裸足で地べたを歩く。
傷ついた両足から流れ出てしまう記憶達。
でもね
乾いて蒸発してしまえば
またアタシのカラダが吸い込んでしまう。
そんな繰り返し。
こんな繰り返し。