5.ユーシウス公爵
数日後…
私は相変わらず暴言を吐かれる日々だった。
でもスキルのおかげで平気だ。
ザワザワ
なんか外が騒がしいな…
誰か来たみたい
窓を見るとそこにはとても綺麗な男の人がいた。
「あの人はユーシウス公爵よ!きっと私を引き取りに来たんだわ!」
そう言ったのは同じ孤児院に住むユリアだ。
今まで私に暴言を言ってきた人でもある。
ユーシウス公爵は院長先生と話している。
院長ってなんか嘘くさいんだよねー
だから院長の前では声を出していない。
どうやら、奥さんが子供を産むのが難しい体質になり、子供一人だけではかわいそうだからと孤児院の優秀な子供を引き取ることにしたようだ。
ついに公爵が院長との会話を終え、部屋に入ってきた。
ユリアは、自分が引き取られると思い、ワクワクしている表情を隠さない。
私は誰が引き取られても興味がないので傍観してた。
公爵様は私とユリアがいる方に歩を進めてきた。
「公爵様、私を引き取りに来てくれたんですよね?ありがとうございます!」とユリアが言う。
「すまない。私は隣にいるサラという子を引き取りに来たんだ。」
というとユリアは、
「何であんたなんかが選ばれるのよ!あんたなんか何の取り柄もないくせに!」といって部屋を出ていってしまった。
前世なら泣いていたが、スキルがあるので平気だ。
私は公爵に話しかけられた。
「君がサラかい?君を我がユーシウス公爵家に引き取りたいと考えているんだが、君はどう思う?無理にとは言わない。」
「わたしは人を信じることができないけどそれでもいいですか?」
院長は驚いていた。なぜなら私が孤児院に来て初めて声を発したからだ。
院長はきっと私が声を出せないと思い込んでいたのかもしれない。
「お前、声が出せたのか。もう少し早くわかっていれば使い道もあったのに」
やっぱり院長は私を利用するつもりだったのか
声出さなくてよかったー
「あのー?どうする?僕についてくる気はある?」
わすれてた。そういえば聞かれてたんだった。
そういえば、ユニークスキルあるんだった。ちょっと使ってみようっと
公爵の心を読むと…
『こんなに可愛い子初めてみた!妻と息子が喜びそうだ。もし引き取ることができたら大切に育てたい。サラは人に対して警戒心を持っている気がする。改善できればいいのだが…』
この人だったら信頼してもいいかも。
「分かりました。私を公爵家に連れていってください。」
「ありがとう。では君をユーシウス公爵家に向かい入れよう。」