第6章-EP39 涼子POV・涼子の誘惑(パート2)
[※このエピソードは第一章EP03~EP06の涼子視点(POV)バージョンです]
【私は彼をランチに誘った】
お昼の10分前、彼にメッセージを送信
> 「お昼、一緒に食べよ?」
>
昼休みに翔太くんとのランチのためオフィスビルのカフェに移動した。午前中は彼とのランチをどこで食べるかを考えていたら、あっという間に過ぎた。
「翔太くん、こっちこっち♡」
(ふふっ♡可愛いからちょっとビックリさせちゃおう♪)
私はじーっと翔太くんの目を見つめる、そして……
「朝からずっと私のこと考えてたでしょ?」
翔太「えっ!?」
感覚で彼の心拍数が跳ね上がるのがわかる。
(超かわいい!じゃあー、今日はもっともっと私のこと好きになってね♡)
今日も翔太くんのホルモンを調整するためジーと彼を見つめる。
「ねえ翔太くーん♡もっと私のことを考えて……もっと、もっと……」
——翔太は心がじわじわと支配されていくような感覚を覚える
彼がボーっと考えのまとまらない顔になったのを確認し、私は心の中でうなずく
(うんうん、翔太くんいい顔してる♡ここで私の必殺恋愛テクニックの出番ね♡)
涼子「じゃあ、ずっと私のこと考えていてくれたから、ご褒美あげるね?」
私は目の前のシチューをスプーンですくい、優雅に見えるよう、この日のために鏡の前で何度も練習した所作で、翔太くんの前に差し出した。
涼子「はい、あーん♡」
翔太くんはちょっと躊躇った後、恥ずかしそうにパクっと食べて「うまっ!」
この瞬間、私は彼の心に思い出としてこの味が十分残るよう、味覚に関連するホルモンを調整する。そう、翔太くんにとってこのシチューは『私の味』になるの。思い出すたびに彼の頭は私でいっぱいになるのよ♡
「ふふっ、もっともっと私に夢中になって♡」
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【ランチの後】
ランチから業務にもどった私はすかさず翔太くんの脳内ホルモンの様子を観察。もちろん仕事なんか二の次だ。
(うふふ♡翔太くんやっぱり私のこと考えてる♡あれ、でもちょっと様子が変ね……?ひょっとして翔太くん一人になりたがってる?私の必殺の恋愛テクニックが効いていないのかしら……?運命の王子様だから遠慮せずに全開でホルモン調整して誘惑してきたけど、普通の人ならとっくに私に結婚申し込んじゃうくらい強力な誘惑のはずなんだけどな……でも一人になりたいなんて、お莫迦さんね翔太くんは。私がそんなこと許すわけないじゃない、だってあなたはもう私のものなんだものー♡)
私はすかさず翔太くんの元へ。そしてちょうどスマホで私に「一人になりたい」と送信した彼を捕まえて、まず逃げられないように脳内ホルモンを操作。
「ふふっ。もしかして私から逃げようとした?」
私はにっこり笑って言う。
「翔太くんダメだよ♪ 翔太くんが私から離れようとするなんて、許さないよ♡」
心も体も逃がさないように、テレキネシスで自分に引き寄せたあと、すこし強力なリラックスホルモン操作を翔太くんにしてあげた。彼はまた私にメロメロに……
涼子(ふふっ♡仕事も恋も同じ。こういう困難を乗り越えて深まっていくのよね♡)
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【ちょっとしたハプニング】
私は毎日、翔太くんを誘惑した。
……というよりも、「翔太くん大好き♡」という私の想いを、ホルモン操作で“そっと”彼の心に伝えるのが、もう私たちの日常になっていた。
(ふふっ、だって彼も本当は私を求めてるんだもん♡)
でもね——
そんな中で、ちょっとだけヤキモキしてることがあった。
そう、「好き」っていう、その一言。
翔太くんの感情からは、私への想いがびんびん伝わってくるのに……どうしてもその言葉だけが出てこない。
(んもう、何を頑張っちゃってるのかしら?可愛いんだから……♡)
そんなある日、私は仕事中の翔太くんの席に、ちょっとした“用事”を作って行ってみた。
「ねぇー翔太くーん♡こないだお願いしてた、私への愛のプレゼン資料できた?プレゼンの大事なことは相手の目をちゃんと見ることよ♩ほらほら、私の目、ちゃんと見て〜?」
翔太(あ、コレ……またヤバいヤツだ)
私はにっこり微笑みながら、テレキネシスで彼の視線を固定する。そして瞳にじわりと赤みが差してくる。
「うふふ……♡ もう、我慢しなくていいんだよ〜、私に好きって言っちゃってもいいんだよ〜?ほーら、私のこと大好きなんでしょ〜♡」
——私の言葉は、柔らかく、甘く、彼の脳内に反響していく。
でも翔太くんは、真っ赤な顔でちょっとにんまり笑って、うつむくばかり。
(あら……ちょっと耐性ついてきた……?)
そのとき——
ふと視線を横にやると、営業部のエース・田中さんの目が、私の赤く染まった瞳に釘付けになっていた。
(……あれ? やだ、見てた? 今の"あの瞳"、見ちゃった?)
田中さん。そう、以前私をデートに誘ってきた人。(※第一章EP01参照)もちろんそのときはホルモン操作で“やんわりと”お断りしたのだけれど……どうやら、まだ未練があったみたい。
そして——
私の“翔太くん専用ラブホルモン”のささやきが、田中さんの無防備な脳に誤爆した。
『私が大好きなんでしょ〜、もう我慢しなくていいのよ♡』
その瞬間だった。
田中の顔が一気に赤く染まり、目がうるうると潤んだ。まぶたは半分閉じ、口元が緩み、呼吸が乱れ、肩が小刻みに震え始める。
(……えっ、ちょっと待って。これ、完全に落ちてる?)
田中の全身に戦慄が走り、体の隅々から頭の中まで“涼子でいっぱい”。理性の防御壁は見る間に崩壊し、彼は“運命の女”に恋した青年のような顔になっていた。
「す、す、す……涼子さん……っ!」
絞り出すような声。震える手。全身の血液がシャンパンのように泡立つような感覚がしてぼたぼたと汗がこぼれ落ちる。
「ぼ、僕……! 僕、ずっと前から……涼子さんのことが……その……」
(え、え、まさか……またデートに誘われちゃう!?)
「結婚してくださいっっ!!」
「……へ??」
(えええええええええっっ!?!?!?!?)
涼子、想定外の求婚に内心フリーズ。
(いや私の誘惑、翔太くんにはちょっとしか効いてなかったのに、横目でカスっただけの田中さんは即プロポーズ!? しかも声、響いてる!オフィスに響いちゃってる!!)
でも私は、ぎりぎりの笑顔で乗り切る。
(これは……まずい。完全に誤爆した。やっちゃった……っ)
……そして次の瞬間。
「田中さん、それは……ダメです!」
その声に驚いて振り向くと、翔太くんが憤然と立ち上がっていた。真剣な目で、田中さんを睨んでいる。
「え?翔太、お前……なにムキになって——」
「涼子先輩は……ダメなんです!」
翔太くんの言葉。
あまりにまっすぐで、少し震えていて——でも、私の心にじんわりと染みた。
(……ああ、翔太くん。あなた……ヤキモチ、妬いてくれたんだ♡)
私はそっと、翔太くんの顔を見つめる。
「うんうん♡ じゃあ翔太くん……その気持ち、私にどう伝えてくれるのかな〜?」
でも翔太くんは顔を真っ赤にして、何も言えずに田中さんの肩を取って、どこかへ連れて行ってしまった。
(……ふふ、逃げちゃった。でも、嬉しい)
その後、もう田中さんからの告白はなかった。
たぶん翔太くんが、何かちゃんと“けじめ”をつけてくれたんだと思う。
そして私はますます確信した。
翔太くんの“心”は、確かに、私のもとに向かっているってこと♡
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【そして私は翔太くんを自宅に誘う】
> 涼子の考察
(翔太くんってすごく面白い子。私に対して安心するって言ってみたり、自分からは積極的になにも決めず、私が強めに支配的なことをすると必ずちょっと反抗する振りをするの。だけど最後は渋々従っちゃうし実はそれを全然嫌がっていない。これは彼の脳内ホルモン分泌からの感情分析なんで間違いないわ。私の場合、私の支配で男にドン引きされても冷めるし、かといってM男みたいに女王様~というのは論外。翔太くんは反抗と服従のラインがギリギリで絶妙なの。一言で言うと翔太くんは服従のスタリオン。並大抵な支配では乗りこなせない……それも私専用に作られたスタリオン……一体どうして今の彼の性格は出来上がったのかしら……)
>
——これまでの翔太との付き合いの中で翔太を分析しつつ、涼子の翔太への独占欲と依存症は日を追う毎に高まっていった。
(翔太くんから私を誘ってくることは絶対ないわね、だから私からグイグイいくわよ♪私もその方が得意だし♡)
「ねえ翔太くーん、今日は私のお家に遊びに来ない?」
昼休みの終わり際に私は彼に腕をからめできるだけ甘い声で囁いた。
「えっ……」
彼は一瞬、言葉に詰まる。
(ヤバい……涼子先輩の家なんて、行ったらもう……完全に支配される)
(ほらね、翔太くんは二つ返事はしないの。知ってるわー♡)
「ダメ、かな?」
私はわざと寂しそうに唇を尖らせる。
「……わかった、行くよ」
「うふふ、嬉しい♡」(やっぱりちょっと心の中で葛藤してみせるのね。かわいい♡)
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【——翔太、涼子のお家初訪問】
仕事を終えたあと、私たちは自宅最寄りの地下鉄駅に着いた。
「こっちよ、翔太くん♡」
そう言って私が手を差し出すと、翔太はやっぱりちょっと躊躇してから、そっとその手を握ってきた。手のひら、少し汗ばんでるのがまたかわいい。
駅から徒歩1分。目の前にそびえるガラス張りのタワーマンション。30階建てのその建物の最上階、そこが私の家。(もうすぐ私達の“愛の巣”になるのー♡)
エントランスに入ると、翔太はきょろきょろと周囲を見渡していた。
「すごい……なんか、高そう……」
「うふふ♡そんなことないわよ。便利だから住んでるだけ」
エレベーターを降りて、私が自宅のドアにICキーをかざすと、
ドアが「ピッ」と音を立て、まるで私たちを歓迎するように静かに開いた。
——そして玄関のAIカメラが作動し、自動音声が流れる。
> 「ようこそ、翔太様。高橋涼子様のご指定により、登録済です。ぜひお入りください」
>
「……え、えっ、なんで俺の名前……?」
「うふふ♡このドアね、もう翔太くんは登録済なの。翔太くんはいつだって入ることができるのよ」(入ったら逃がさないけどね♪)
家の中にはふんわりとアロマの香りが広がってくる。バニラとジャスミン、それにちょっとだけ、涼子の髪の香りに似ている。
「……うん……なんか、安心する匂い……」
「翔太くんがそう感じるようにブレンドしてるの♡」
私はキッチンのカウンターに軽く腰をかけた。
部屋に入った翔太はあれっ?と思った。
「……この家、先輩以外にもひょっとして誰か住んでいるの?」
「どうしてそう思うのかな?」
「え……だって……部屋がいっぱいあるし、男物の歯ブラシやスリッパ、夫婦茶碗とか?」
「ふふっそれはね、みーんな翔太くんのものなんだよ♡」
「え、え、俺今日初めて来たんだけど!?」
「だから未来の話。ここは翔太くんと私が暮らすお部屋なのよ♡」
——涼子はさらっと“未来”を事後確定してくる。
「……ところで玄関、二重ロックなんですね。すごくしっかりしてる。やっぱり女性の一人暮らしだと必須ですよね。」
「あらそうなのね、気にしたことなかったわ。私あまり玄関は使わないのよ♡」
「え、どういうこと……?」
「私の玄関は、ベランダなの♡」
そう言って私は翔太の手を引き、リビングのガラス戸を開けてベランダに出る。
夜風が心地よく吹いていた。30階の高さ、遠くに東京タワーが赤くライトアップしている。
「……ベランダ、って……」
私は翔太くんにウインクして、ふわりと空中に浮かび上がる。そしてベランダの手すりの外側から翔太くんに微笑む。
「今度翔太くんが来るときは、ここから一緒に出入りするって決めてるの♡ ふふっ、今度と言わず今試してみよっか?」
——涼子がスッと指を動かすと翔太の足先がゆっくりと床を離れる
「や、やめてってばぁあああ!!」
——翔太の声が、夜の世田谷に響いた。
そしてその下の階では、マンションの住人の女性がそっとつぶやいた。
「……あら、高橋さんの旦那様、長期出張からお帰りになったのね。よかったわ♡」
すでにこのマンションの空気すべてが、何故か翔太を“涼子の運命の夫”と認識していた。
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【——そして、甘やかしの夜。】
「翔太くーん、おいで?」
私は先にソファに腰掛け、自分の隣をぽんぽんと叩く。
「……」躊躇する翔太。
涼子(ほらまた、躊躇してみせるの。もうわかっているんだから♡)
私はそっとテレキネシスを発動して彼を私の隣に誘導する。
「ふふ、かわいい」
私はそんな翔太くんを抱き寄せると自然に顔がほころんだ。そして、彼の髪を優しく撫でる。——リラックスホルモン操作を発動しながら
——ここで涼子はまた翔太の焦りの感情を感じる
涼子(あら?また来たわね。今度はどう出るのかしら♡)
翔太(……ダメだ、これ以上ここにいたら……)
「涼子先輩、俺、もう帰るよ、今日はありがとう。でも、そろそろ……」
涼子(はい想定通りだわ♪逃がさないわよー♡)
——バタンッ!とテレキネシスを発動しリビングのドアを閉める
「翔太くん、逃げようとしたの?」
「い、いや……」
「嘘。だって、翔太くんの動き、すごく焦ってたもん」
涼子(そしてもう一押しね♡)
「私から逃げられるわけ、ないよね?」
私はテレキネシスで優しく彼を包み込んだ。そしてそっと数センチ空中に持ち上げる
「ダメだよ、翔太くん。勝手に帰っちゃうなんて……翔太くんひょっとして私が怖いの?」
翔太「……」
涼子(やっぱり翔太くん、怖がってるどころか安心してるじゃないの。バレバレなところがすっごくかわいい♡)
涼子「大丈夫だよ、ほら、力を抜いて?」
私のその言葉とともに、翔太くんの中で何かが弾けた。
(……俺は、もう逃げる必要なんてないんだ)
——服従のスタリオンはこうしてその背中を涼子に許し始めたのだった
涼子(うふふ♡これで私たちまた一歩前進ね♪ 今夜は帰さないわよ……なんてね♡)
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その夜私は気持ちよさそうに眠る翔太くんをうっとりと見つめながらYUMIにメールを出す。
> YUMI, I finally found my destined one! His name is Shota. I would love to show him to you someday!
Love xx
(YUMI,私ついに王子様にめぐり合ったわ、彼Shotaっていうの。いつか絶対紹介するね♡)
>
——しかし涼子はこの時知る由もなかった。そのスタリオン、実はYUMIの弟ですよ……
\ 完 /
次回、そして物語は現代に戻りいよいよ最終第七章「涼子♡本気になる」今まで封印していた涼子の本気、見せます!




