表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女の○○がヤバすぎたので全部お任せしました  作者: バンディット
第6章 結婚式プロジェクト
68/76

第6章-EP19 美紀の家庭訪問(パート2)

【ついに家庭訪問、開幕】


週末の午後。


青いストライプの初夏のワンピースに身を包み、手にはワインを抱えた美紀が、


涼子と翔太の部屋の前に立っていた。


(……よっしゃ、美紀。覚悟決めていこ!!)


ピンポーン♪


インターホンを押すと、涼子の明るい声がスピーカーから響く。


「は〜い、美紀ちゃん、いらっしゃい♡」


(ま、まさかここで翔太先輩のテレキネシスが発動してドアが自動で……!)


——普通に、内側からガチャリとドアが開いた。


そこにいたのは、


満面の笑みを浮かべた涼子。


今日は明るい花柄のチュニックに、


柔らかな素材のパンツを合わせた、優しい休日スタイルだった。

挿絵(By みてみん)

「美紀ちゃん、ワンピース可愛いわよ♡」


「えへへ、そうですか〜♡」


「遠慮せずにどうぞ。スリッパ、ここね」


「お邪魔しま〜す!」


===================

【涼子&翔太の巣に突入】


リビングへ通されると、翔太がくつろいだ様子で迎えてくれた。


色落ちしたジーンズに、ラフなTシャツ。


“ザ・家モード”全開。


「美紀ちゃん、いらっしゃい。楽しみにしてたよ」


「翔太先輩、今日は招いてもろて、おおきに!ワイン、持ってきたんで、みんなで飲みまひょ!」


美紀はワインを手渡し、ちょっと緊張しながら笑った。


===================

【W.C.涼子の前フリ】


「ところで……涼子課長。来たばっかりで悪いんですが、トイレお借りしてもええですか?」


「もちろん♡こっちよ、ついてきて〜」


涼子はひょいと先導する。


「ここがトイレね。自由に使っていいわよ。あ、ちなみに——」


涼子は向かい側のドアを指差した。


「このドア、W.C.って書いてあるけど……そこはトイレじゃなくて、

ウォークインクローゼットなの。間違えないでね。恥ずかしいから、覗いちゃダメよ♡」


ニコッと、悪戯っぽく笑う涼子。


(ウォークインクローゼット……いや、待てよ……まさか、異世界に通じとるんちゃうやろな……!?)


美紀の脳内では、『ナルニア国物語』の扉が全開になっていた——。


===================

【まずはカンパイ】


「カンパーイ!」


涼子が用意したエビとブロッコリーのアヒージョ、


サーモンのカルパッチョ、チーズの盛り合わせ。


テーブルの上には小洒落たメニューが並び、


三人はワインのグラスを合わせた。


美紀は心の中で作戦を練る。


(まずはジャブや。いきなり核心に迫ったらアカン……)


===================

【馴れ初めインタビュー】


「涼子課長と翔太先輩って、社内ラブですよね?どういうきっかけで付き合い始めましたんか?」


「あら♡」


涼子が、ふわりと頬を赤らめる。


「翔太くんがね、もう涼子先輩のことしか考えられませんっ!って告白してきたの♡」


「えー、はい……その通りです(汗)」


(※翔太は、初めて会った時に涼子の超能力により涼子のこと以外は考えられないように支配されたことを思い出していた……)


「ねー翔太くん、ねー♡」


にっこり微笑んで翔太に顔を向ける涼子。


——と同時に、涼子の感情の圧(裏パンチ)がダイレクトに翔太に飛ぶ。


(……なんか文句あるの、翔太くん?)


「はい、そうでしたー!惚れちゃった弱みですねー懐かしいなー(震え声)」


===================

「お二人とも、ほんまアツアツやんなぁ。先日も秋葉原では、びっくりしましたわ」


「ははっ、そうだよね。涼子先輩は大胆だからなー。僕もびっくりだったよw」


美紀はズイッと身を乗り出す。


「そういや、あのコンカフェの女の子、ちょっと地面から浮き上がっていませんでした?」


(——キター!核心質問!!)


翔太はチラリと涼子を見る。


涼子はにこにこ、天使の微笑み。


「いやぁ、最近流行ってるんだよね。浮遊ダンスとか。エンタメってすごいなぁ、ホントに!ね、涼子先輩!」


「うふふ、翔太君、詳しいのね♡」


(あれ……?はぐらかされた……!?)


更に追撃しようとする美紀に——


「美紀ちゃん♡私、美紀ちゃんに見せたいものがあるの。こっち来て♡」


涼子がスッと美紀の手を取り、自室へ引き込んだ。


===================

【極秘ミッション】


涼子は自室のドアをそっと閉めると、床に並べたクッションをすすめ、自分も座る。


「私ね……あの日、翔太君にちゃんと聞いたの。でも、ずっとあんな感じで……」


「やっぱり……!翔太先輩、奥さんにも超能力隠してるんやな……」


涼子は悲しそうに微笑んだ。


「私、彼のことは何でも知ってるって思ってたのに……まだ秘密があるなんて……」


(翔太先輩がウチに今日声かけたんも、きっと言い訳したかったんやな……)


涼子は真剣な顔で言った。


「だから、今日美紀ちゃんに来てもらったの。


専門家の美紀ちゃんに、翔太君の超能力の証拠を見つけてほしいの!」


美紀は、拳を握りしめる。


「ウチに任せときなはれ!!ウチ、あっちゃこっちゃ、がっつり探させてもらいまっせ!」


「ええ、——クローゼット以外なら♡」


涼子は、満面の笑顔で釘を刺した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ