表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女の○○がヤバすぎたので全部お任せしました  作者: バンディット
第6章 結婚式プロジェクト
57/79

第6章-EP08 涼子と翔太の高校生物語(パート2)

【涼子、授業をバックレて翔太を探す】


「まあ、私大人だし、授業バックレても大丈夫よね♪」


——いやいや、大丈夫なわけない。

でも、そんなことどうでもよかった。

今、涼子の頭の中にあるのはただひとつ。

翔太くんを見つけること!


授業中の静まり返った廊下を、先生に見つからないよう慎重に歩く。


(あー、久しぶりのこの感じ。なんか懐かしいわ…)


高校時代、こんなふうに授業を抜け出したことはなかった。

でも、今回は特別。


1年1組の教室をそっと覗く——いない。

2組も、3組も…(あれ、いない!?)


「え、まさか…転校してるとか?」


と、不安になりかけたその時。


ついに見つけた。

1年6組の教室、一番後ろの窓際。

ぼーっと窓の外を眺めている翔太。


(はぁ~~~~っ、可愛い……!!!)


ただ座っているだけなのに、その姿がたまらなく愛おしい。


(でも授業ちゃんと聞かなきゃダメだぞ! いや、それにしても可愛い……!)


このままずっと眺めていたかったけど、さすがにバレるとマズイ。

仕方なく、涼子はいったん自分の教室へ戻り、

「ちょっと保健室行ってましたー」と適当に言い訳しながら席に着いた。


しかし、授業なんて頭に入るはずがない。

(どうやって翔太くんを落とすか考えなきゃ!)


超能力は未熟だから、無理やり翔太をさらうことはできない。

でも、この高校生の姿のまま、自然に翔太を落とす方法を考える必要がある。

「よし、もう一度翔太くんと二人きりになって話してみよう!」

涼子の中で、作戦が決まった。


===================

【Mission: 消しゴムで翔太を誘導せよ!】


休み時間。


「涼子さん、僕と付き合ってください!」

「いや、私急いでるんでごめんね♡」


涼子は、自分に群がる男子生徒を一蹴し、真っ直ぐ翔太の教室へ向かった。

1年6組に入ると——


「……」


そこには、やっぱり窓の外を眺める翔太。

そして、彼の周りには2、3人の女子生徒。


「ねえ翔太くん、部活なにしてるの?」

「週末って暇?」

「ねえねえ、LINE交換しよ?」


わちゃわちゃと彼に絡んでいる。


(……は?)


涼子の中で、何かが弾けた。


(はぁ~~~ん!? ちょっと待って、この子たち、私の翔太くんになに絡んでんの!?)


大人の自分なら即座にテレキネシスで翔太を誘拐していた。

だが、高校生の今はそうもいかない。


(冷静に…私は大人。私は大人。大人なら、もっとスマートに行くのよ……!)


ふと翔太の机に置かれた消しゴムが目に入る。


(これだ!)


涼子はそっと指を動かし、微弱なテレキネシスを発動。

ス…ッ


「……?」


翔太の消しゴムが、机の上をゆっくりと動き始めた。


「えっ…?」翔太が気づく。

(よしよし…そのまま気づけ!)


消しゴムは、じわじわと机の端を通り、廊下の方へ。


「…なんだこれ?」翔太が小声でつぶやく。


興味を引かれたのか、翔太はそっと立ち上がり、消しゴムの動く方向を追いながら教室のドアへ向かう。


(きた!)


ドアの向こうで待っていた涼子は、翔太が出てきた瞬間、

彼の手をギュッと掴み——


「来て、翔太くん!」


翔太をそのまま引っ張り、誰もいない屋上へと駆け上がる——!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ