表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女の○○がヤバすぎたので全部お任せしました  作者: バンディット
第1章 涼子と翔太の出会い
3/97

第1章-EP03 涼子の誘惑

【涼子は翔太に興味を持ち、超能力を使って彼を誘惑することにした。】


まずは軽くジャブを打つように、翔太の感情を操作する。彼の脳内に心地よい幸福感と、涼子への親近感がじんわりと広がるようにホルモンを調整した。


「ねぇ、翔太くん」


涼子は彼の名前を甘く響かせながら、机の上のペンを指先ひとつで転がしてみせる。もちろん、テレキネシスで。


「ん? …あれ、今のって…」


翔太は目を丸くしてペンを見つめる。


「ふふっ、不思議でしょ?」


涼子は微笑みながら、彼のネクタイの端をゆっくりと宙に持ち上げた。翔太が驚いて顔を上げると、涼子の妖艶な笑みと目が合う。


「翔太くんって、なんだか放っておけないタイプよね」


彼の耳元にすうっと息を吹きかけながら、脳内に心地よいドーパミンを放出させる。涼子の存在が、まるで麻薬のように彼の心を支配していく。


「ほら、こんなこともできるのよ?」


ふいに翔太の腕がふわっと浮き、まるで見えない糸で操られるようにゆっくりと持ち上がる。


「えっ…?」


戸惑う翔太の反応を楽しみながら、涼子は軽く指を弾いた。すると、翔太の腕はそっと元の位置へ戻る。

「まるで魔法みたいでしょ?」


涼子は悪戯っぽく微笑み、翔太の頬に優しく指先を滑らせる。


「ねぇ、私のこと…もっと知りたい?」


彼の瞳が涼子に引き寄せられ、もう逃れられない状態になっているのを確認し、涼子は満足げに微笑んだ。


===================

【涼子の誘惑がじわじわと翔太の心に染み込んでいく。】


彼女の指先が軽く触れただけなのに、なぜか心臓がドキリと跳ねる。まるで心の奥を覗かれているような感覚。


「どうしたの?」


涼子が楽しげに微笑む。


「いや…その…」


翔太は言葉を探すが、脳がうまく回らない。涼子が発する甘い香り、柔らかな声、そしてふとした仕草まですべてが異様なほど魅力的に感じる。


(なんだこれ…涼子先輩のことが…頭から離れない)


彼女が少し身を乗り出すと、心の奥から突き上げるような高揚感がこみ上げる。ドーパミン、オキシトシン——翔太は知らないが、それは涼子のホルモン操作によるものだった。


「私といると…なんだか楽しくない?」


彼女の声がまるで催眠のように響く。楽しい、心地いい、もっと近くにいたい——そんな感情が次々と湧き上がる。


「た、たしかに…楽しいです」


気づけば、翔太の視線は涼子に釘付けになっていた。彼女が指を軽く動かすと、机の上のペンがフワリと宙に浮かび、くるくると回る。


「すごい…」


普段なら驚くべき光景のはずなのに、それすらも幻想的で、美しく見えてしまう。


「ねぇ、翔太くん?」


涼子はそっと彼の手を取る。


「私のこと、もっと知りたくなったでしょ?」


翔太はもう否定できなかった。涼子の超能力は彼の理性すらも支配し、心を絡め取っていく。


「…はい」


答えた瞬間、涼子の微笑みがさらに妖艶なものに変わる。翔太はもう、彼女の術中に完全にはまっていた。

涼子との会話が終わったあとも、翔太の胸の高鳴りは収まらなかった。


(なんだ、これ…)


普段なら気にも留めない仕草や言葉が、涼子にかかるとすべて魅力的に思えてしまう。彼女の瞳に見つめられた瞬間、体温が上がる感覚。声を聞くだけで心が揺れる。


【——涼子先輩のことばかり考えてしまう。】


仕事を終えて帰ろうとしたとき、スマホの通知音が鳴った。


「翔太くん、今日このあと予定ある?」


送信者は涼子。たったそれだけの短いメッセージなのに、鼓動が速くなる。返信しようとする前に、さらにメッセージが届く。


「もし空いてたら、一緒に飲みに行かない?」


飲みに行く。つまり、それは涼子と二人きりになれる時間が増えるということ。


(行く…いや、でも…)


心のどこかで警戒する声があった。涼子といると、なぜか理性が溶かされてしまう。彼女の魅力に取り込まれるような感覚。

それでも、翔太の指は自動的に動いた。


「行きます!」


夜の街に並ぶネオンの光。落ち着いた雰囲気の居酒屋に入ると、すでに涼子は席についていた。白いブラウスにタイトスカートというシンプルな服装なのに、彼女がいるだけで周囲の空気が変わるように感じる。


「翔太くん、お疲れさま」


涼子が微笑みながらグラスを差し出す。


「お、お疲れさまです…」


グラスを合わせて乾杯すると、涼子はすぐにグラスを置き、じっと翔太を見つめた。


「なんか、緊張してる?」

「えっ、い、いや…そんなことは…」

「ふふっ、ほんと?」


涼子は肘をついて、少し上目遣いで翔太を見つめた。翔太へのホルモン操作を発動している、その赤い瞳の奥が不思議なほど心を惹きつける。


(……やばい、意識が全部持っていかれる)

挿絵(By みてみん)

お酒を飲むほどに、翔太の頭はぼんやりとしていった。話す内容も、次第に曖昧になっていく。それでも涼子の声だけははっきりと耳に届く。


「ねぇ翔太くん、もっと私のこと好きになってもいいんだよ?」


冗談めかして言われた言葉なのに、その一言が頭の中で何度も反響する。好き、もっと、もっと…。


(俺、涼子先輩のこと…)


気がつくと、涼子の指がテーブルの上でスッと動いていた。


「……?」


その瞬間、翔太の意識が一瞬ふっと浮くような感覚に襲われた。目の前の世界がかすかに歪んだように見える。


「もう、大丈夫。これからはもっと私のことを考えて…?」


涼子の言葉が、まるで心に直接流れ込んでくるように響く。彼女の指先が軽く触れるたびに、胸がドキドキと脈打つ。

理性の輪郭が溶かされていく。考えることも、選択することも、すべてどうでもよくなっていく。ただ、涼子のことが好きだという事実だけが、脳内に染み込んでいった。


「うん…」


もはや抵抗する余地はない。翔太の心は、涼子に完全に絡め取られた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ