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第3章-EP12 涼子の憲法108と翔太の1つの願い

【プロローグ:同棲生活、最終ラウンド】


翔太と涼子が同棲を始めてしばらく経つ。


バレンタインデーのチョコレートスペシャルの呪いホワイトデーの翔太のサプライズのおかげで、二人の絆はもうただの同棲では収まらないくらいに深まっていた。


翔太の帰宅後に涼子がいつもに増して満面の笑みで翔太をギューと出迎える。


「翔太くーん♡私たちってもう一緒に住んでしばらく経つし、もう離れられないじゃなーい?」


彼女はリボンのついた分厚い紙束を差し出した。


「二人の生活にはルールが必要だと思うの。だからあなたと(主に)私のために、とーっても良いものを作ったのよ。その名も……『涼子の愛の憲法』よ♡」。


「なんですか?それ?」


「私たち(主に涼子)が一緒に楽しく暮らしていくのに必要なことを書き出したの♪仏教の煩悩と同じで108つあるのよ♡」


「108もあるんですか!?」


涼子は誇らしげに笑った。


「うふふ♡楽しくあれこれ大切なことを書き出したらー、たまたまその数になっちゃったの♡」


「なるほど、煩悩の数だけ愛のルールがあるってことですね……愛って、仏教より深いかもw」


===================

【第1条:1日に最低3回は「愛してる」って言ってね♡】


「ちょ、ちょっと待ってください!!」


「朝、昼、と寝る前に、最低1回は私に『愛してる、とか、大好きっ』って言わなきゃだめよ♡」


「!、もし忘れたらどうなっちゃうんですか?」


「1回でも忘れたら、三日三晩泣き叫ぶわ♡」


「先輩って超能力だけでもヤバイのに涙まで武器にするんですね……」


===================

【第12条:お家の中にチョコレートを隠しちゃダメよ♡】


「えー!バレンタインデーの時に一回しかやってませんってば!!」


「あれれ、おかしいわねー♡先週はチョコレートの隠し場所を3つも見つけたのよ。翔太くん、これはどういうことかしら?」


「……僕じゃない人が……準備してたってこと?」


「真実を告白しちゃう呪い、発動しちゃうよー♡」


===================

【第33条:涼子先輩はいつも正しい(黒いものも白よ♡)】


「えー、僕の意志や権利ってどうなってるんですか!」


「翔太くんは私のものなのよ♡意志や権利も含めてね♡」


「せめて突っ込みくらいは言わせてもらいますからねっ!」


===================

【第51条:他の女の子に誘惑されたらすぐに報告してね♡】


「それは……まあイヤという道理もないですね。僕先輩大好きですから……」


「当然よ♡だけど隠しても全部お見通しだから正直に報告した方が身のためよ♡」


「え、どうしていつもすぐわかっちゃうんですか!?」


「うふふ、今はまだ秘密♡そのうち教えてあげるわ♪ちゃんとね♡」


===================

【第64条:涼子先輩に秘密はダメよ♡(でも誕生日などのサプライズはむしろ推奨♡)】


「え、サプライズはOKなんですか?」


「私サプライズ大好きよ♡秘密は大嫌いだけど」


「それは……紙一重ってやつですね……」


===================

【第88条:私が「眠ーい」って言ったらすぐに充電してね♡】


「ピタッと充電タイムですね」


「そうなの翔太くん、私は燃費が超悪いのよーん♡」


(注:涼子は翔太との身体的接触を「充電」と呼ぶ)


「いつでもモバイル充電お任せください!」


===================

【第108条:私が「愛してるわ」と言ったら、どこにいても「愛してるよ」って言ってね♡】


「え、シャワーあびててても?」


「もちろんシャワー中も♡」


「トイレ中でも!?」


「トイレ中だってどこでもよ♡」


「……ちょっと重すぎたって後で後悔しませんか?w」


「大丈夫、憲法だもん♪私もいろいろ考えたんだよーん♡」


===================

【一番大事な唯一のルール♡】


翔太はソファに横たわり、『涼子の愛の憲法』を両手で握りしめた。


「108つのルールは絶対ってことなんですよね?」


涼子は甘い微笑みを浮かべてギューと翔太を抱きしめ、そっと囁く。


「翔太くん、どんなルールだって破っていいんだよ……私を愛してさえいればね」


「……涼子先輩、それってずるくないですか?」


「愛ってフェアじゃないのよ♡」


こうして涼子と翔太の『涼子の愛の憲法』の下での生活が始まった。支配と服従の生活、そしてお仕置きと呪いの日々が


※現在のところ第109条は存在していない。それは煩悩を超えたものなのか、はたまた108の煩悩を凝縮したものなのか……涼子は知る由もなかったその夜までは……


===================

【第109条、批准される!】


ある夜、翔太の帰りを待つ涼子は『涼子の愛の憲法』を抱きしめて、ソファーで眠ってしまっていた。


翔太はそっとその紙の束を涼子から取り上げると、最後のページをめくり、不器用な字で何かを書き込んで涼子に返した。


第109条:翔太がプロポーズしたら、涼子は「はい」と言わなければならない。


涼子は目を覚ますと追加されたページを見て目をパチクリ。そして彼女は大きく目を見開いた。


「翔太くん……これは……?」


翔太は片膝をついて、飾り気のないビロードの小箱を差し出した。


「109条はルールじゃないですよ、僕の願いです。涼子先輩、……ずっと一緒にいたいです。結婚してください」


涼子は……自分に呪いがかかったかのように、しばらく動くことができなかった……そして顔を真っ赤にして泣き出した。


「……もう莫迦(号泣)……しょうがないなあ、109条は批准(結婚)してあげる♡愛してるわ翔太くん♡♡♡」


そして、『涼子の愛の憲法』は最重要条文が加わったのであった。

挿絵(By みてみん)

2025/5/19 大幅にリバイス済

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