告白されちゃいました
その日の放課後、俺はさっさと帰ろうと準備をしていた。
すると俺に向かって声がかかる。
「神崎、お客さんだぞ~」
そう言われて教室のドアのほうを見ると一人の女の子が立っていた。
いや、女性というべきか。その人はまるで大人の女性と言うべきオーラを持っていた。
身長が高く、体型は細く、足は長く、そして顔は完璧と言えるような美人。
その人のことは俺も知っていた。
この学校の人気No1、瀬戸霞(せとかすみ)。3年生である。
そんなNo1の美人さんが俺なんかになんの用だろう?
俺は急いで帰る準備を終わらすとドアのほうに向かった。
「えっと、俺に用ですか?」
「そうよ、神崎君♪」
笑った顔がまた一段と美人。こんな人に話しかけてもらえるなんて今日はラッキー!
俺はにやけそうな顔を引き締める。
「で、用っていうのは?」
「ここじゃ話せないからついてきて」
そう言うと歩き始める。俺はその後ろをついていった。
そして歩きながら考える。
一体、用ってなんだろう?
しばらく歩き、階段を上ると出たところは屋上だった。
放課後だからさすがに人はいなかった。
「まずはごめんね。帰るところだった?」
「まぁ帰るところでしたけど、帰っても暇なので別に問題ありませんよ」
結構スラスラと言葉が出てよかったと安心する。
正直、緊張しまくりでドキドキしていた。
「質問していいかな?」
「どうぞ」
「神崎君って彼女いる?」
「いませんよ」
「じゃあ好きな人は?」
「それも今のところはいません」
ドキドキしながらも俺は回答していく。
というか、この質問ってなんか告白前みたいな……
「それじゃあ、私と付き合ってくれないかな?」
……はい?今なんと申しました?付き合って?誰と?俺?告白されたの初ですよ?
「ってえええぇぇぇ!?」
「神崎君のこと好きだから……」
マジデスカ?ユメジャナイヨネ?
俺は頭の中が真っ白になっていた。
「返事は今じゃなくてもいいから……」
すると先輩はそのまま屋上を出て行った。
俺はただその場に立ち、今の出来事を思い出していた。