我が息子よ!
水着売り場の前にあるベンチで一人待つ。
女の子3人はそれぞれ会計を済ませに行っている。
結論から言おう……我が息子は耐えれませんでした。
そりゃ無理だって。あんな水着姿見せられたら……
やばい、想像しただけで息子がぁ~!
1人目、朝倉麻衣。
最初から強敵だった。普段意識して見ていなかったが想像以上に胸が大きかった。
そして水色のビキニ姿。同年代の男ならそれを見ただけで悩殺ですよ。
それなのに朝倉は前に屈んでさらにポーズを決めて上目遣いで
「神崎君、似合ってるかな?」
なんてやられたら鼻血ブーってもんですよみなさん。
2人目、柊美鈴。
朝倉ほど胸はなかったが恥ずかしそうに顔を赤くしてモジモジしながら
「どうでしょうか?似合いますか?」
その恥じらい方は反則でしたよ。まさに凶器ですよみなさん。
3人目、佐藤奈美。
幼児体系なので見てもなんともないだろう。案の定着替えて出てきた姿を見ても普通の対応ができた。
が、そんな格好で近寄ってきて
「どう?似合ってるでしょ?」
って腕にしがみ掴まれたらさすがの俺でもノックアウトですよ。
そして今俺はベンチに座りながら興奮を治めている。
周りに人がいなかったら確実に襲ってしまうぞ。
……旅行のとき耐えられるかな?
水着売り場を後にした俺たちは他のものをそろえるために色々なところに歩いた。
一通り買い物を済ませると近くのファーストフード店に入り休憩する。
腹は減ってないので4人とも飲み物だけ。
「ねぇ、神崎君。私たちの水着姿どうだった?」
俺は口に含んでいた飲み物を吹き出しそうになる。
「祐君は私の水着姿に萌え~しちゃったよね」
萌えてません。たぶん……
「私のはどうでしたか……?やっぱり似合ってなかったですか?」
いや似合っていたけど、ってなぜ泣きそうになってる?そのウルウル目も反則ですよ。
「3人とも似合ってたよ」
普通の答え。それでも3人は結構うれしそうだった。
「それとね、ひとつお願いごとしてもいい?」
「俺に叶えられる願いならな」
「神崎君のこと名前で呼んでもいいかな?」
……はい?
「じ、じゃあ私も名前で呼んでもいいですか?」
いやいやだからそのウルウル目で上目遣いって凶器ですから。
「私は名前で読んでるもんね~祐君」
佐藤、お前は馴れ馴れしくしすぎじゃないかい?
「別に呼び方なんてなんでもいいよ」
「じゃあ……祐二君」
朝倉、顔を赤くするな。俺がドキドキしちゃうだろ。
「……祐二さん」
柊、お前は人間凶器か。ウルウル目+上目遣い+笑顔の3コンボ。
「祐君~」
だから佐藤は馴れ馴れしくしすぎだ。このお子チャマ。
「祐二君、もうひとつお願い言ってもいい?」
さっきひとつって言ったじゃん。
「私のことも名前で呼んでほしいな~って。麻衣でいいから」
「私も……美鈴って呼んでほしいです」
「あ~それなら私も奈美って呼んで~」
……こいつらなにかと張り合ってないか?まぁ別にかまわないけど。
「んじゃ、これからはそう呼ぶことにするよ」
いきなり呼び方変えるって。しかも苗字じゃなく名前で。これってなんか付き合ってるみたいじゃないか。
もしかしてこの3人俺のこと……
って、女の子は俺のこと好きになるようになっていたんだった。
つまり、願いによってこの3人も俺のことを好きでいるということ。
そう考えるとなんか複雑だなぁ……
うれしいけど、願いのおかげで好きになってくれているって。
そう考えながらも買い物を終わらせ、帰宅するときにはただ楽しかったと思う。
今日はいいもの見せてもらったし、早く帰って……
自慰行為なんてしませんよ。