第14話 大男は意外とマメ
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うぅ……ん。なんだか口の中が甘酸っぱい……。
「本当にキミときたら……」
「……?」
あら? 大男の声が、聞こえたような気がします。
パチリと目を開けると、目の前にぼやけた赤と白がありましたわ。
紅白でおめでたい、と、思いつつ、唇にくっつけられた甘酸っぱいモノを口に含みます。
しゃりっとした食感。
「ん……コレは……リンゴね?」
「気が付いたか?」
視線を上げれば、大男の姿がそこにありました。
手には食べかけのウサギリンゴ。
お尻の辺りが欠けています。
歯形クッキリ。
「あー……」
私が口にした甘酸っぱいモノは、コレだったのね。
しかも……。
「幻聴では、なかったのね」
なんとなく呟く。
「幻聴でオレの声が聞こえるほど、恋しがられちゃった?」
「……」
何となく、聞き捨てならん事を聞いたような気が致しますけど無視します。
とりあえず口のなかにあったリンゴをしゃりしゃりっと噛み砕き、ガバリと上半身を起こしました。
私、いつの間にかベッドに寝かしつけられていましたわ。
「一体、なにがっ……」
「ああっ。いきなり起き上がらないっ」
「っ……」
ふらっときましたわ、ふらっと。
確かにいきなり起き上がったのは、良くなかったようです。
再びベッドへ寝かしつけられてしまいましたわ。
「一体なにがどうなって……」
「キミは倒れたんだよ」
「……」
倒れた?
あら?
私、丈夫だから今まで倒れたことなんてなくてよ?
「締め切りだからって無茶するから」
「……」
締め切りに追われる生活なんて、今に始まったことではなくてよ?
「もう、キミって人は。全っ然分かってないだろ?」
「……」
ハイ。全く状況が理解できておりません。
「お義母さまから聞いてたより、ホント酷いな?」
「……」
お母さま?
え?
何の話かしら?
「キミは執筆に没頭すると回りが見えなくなるからと。キミに関する取説に書いてあった」
「はぁ?」
大男は分厚い便箋の入った封書を私の前に差し出した。
え?
これが私の取説?
ええ?
「せっかくアドバイスを貰っていたのに。ちょっと目を離したらコレだ」
大男が大袈裟に溜息を吐く。
「……」
ムカつきますわ。
どういうこと?
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