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36.罰とイチャイチャとお風呂と

「どうしたの?」

「………」


どうしてこんなことになってしまったのか。

それは今から約30分前まで遡る。


昨日の3人の買い物をした次の日に私はあいちゃんに呼び出しを受けた。

あいちゃんの家に着てほしいということだったので二人で遊ぶのかと思っていた、のが間違いだった。

玄関の扉が空いてご機嫌な様子のあいちゃん自室へと案内されたまではよかった。

適当な場所に座ってと促された私はベッドの上に座ることにした。


あいちゃんは扉を閉めた後私の隣に腰かけた。

そしてあいちゃんは私の手を取り私の目を見ながら話し出した。


「昨日の買い物の件だけど。めぐちゃんと西園寺さん、何かしてたでしょ?」

「…な、何もして、ない、よ…」

「噓付かないで。水着のこと、だよ」


何故かバレてる気がする。

私が黙ったままあいちゃん眼を逸らしてしまった。

あのことは思い出したくないのだ。

とても恥ずかしかったし、それに初めて他の女の子の裸を見てしまったし。

頭の中が思考停止していて、今に至る。


「何で何も言わないの?何かあったんでしょ?」

「何もないって」

「本当に?」

「う…た、たぶ…ん」

「多分って何よ。あったのね…」

「……」


もう彼女の取り調べに抗う事が出来そうにない。

正直に言うか、それか何もなかったと押し通すか。

再び私の沈黙に彼女のフラストレーションが限界突破してしまったらしく大きな声を出した。


「ねぇってばぁ!!正直に教えてよ」

「うん…」


大きな声で驚いてしまった私はつい口から『うん』と言ってしまった。

正直に話そう。

話したら分かってくれるよ。

心の中でそう呟いた。


「実は…西園寺さんに試着室に連れ込まれてしまって…」

「うん。それで?どうしたの?」

「それで…一緒に、着替えを…」

「…そんなこと、してたの…めぐちゃん」

「ごめん…。彼女が強引というか…抵抗出来なくて」

「それでその場で二人が一緒に着替えたんだね。水着に」

「うん……」

「それだけ?後は何かされた?」

「されてない。何もされてない」

「そっか。それならまだいっか…」


あいちゃんは自分を納得させようと何度か頷いていた。

今日の呼び出しっていうのは西園寺さんのことを聞き出すためだったのか。

そう思った私だったがそうではなかった。


この話はこれで終わり、と彼女は手を合わせた。


「じゃぁ、ちょっと準備しよっか」

「え?さっきの話を聞き出す為じゃなかったの?」

「うん、そうだけど。今からは二人でイチャイチャするの」

「イチャイチャ……?」


暑い外とは違い部屋にはクーラーが起動されておりとても涼しい空間になっている。

日差しが部屋に注がれていたが、彼女はカーテンを閉め始めた。

薄暗くなった部屋。

イチャイチャっと何するつもりなんだろう。

またキスとかするのかな。

他にすることって考えても私にはわからない。

私にはそういう…経験、無いから。


「ねぇ、めぐちゃん。こっち来て」


ベッドの中央に足を延ばして座っていた彼女が手招きしている姿が見えた。

私は言われた通り彼女の横に体操座りで座る。


緊張してしまい真っすぐしか見れなくなってしまった私に彼女が近づいてくるのが何となく分かった。

ふ~っと耳に息を吹きつけ、舌を出して耳をぺろぺろと舐め始めた。


「ひやっ!」


つい声が出てしまった。

私の行動が面白かったのか彼女はさらに耳を舐めた。

舌でチロチロされたり、甘噛みしたり。

そうされる度に私は恥ずかしい声を出してしまった。


「めぐちゃん…耳感じるの?」

「……あ、あい…ちゃ…。やめ…て…」

「だ~め。これは罰なんだから」

「…ど…し……ぁん…はぁ…んっ」

「めぐちゃんってエッチね」


出したくて出したんじゃない。

本当にやめてほしい。

これ以上耐えられない。

私は自然と彼女の肩を力いっぱい押していた。


「はぁはぁ…やめてって、いった」

「ふふふ。ごめんね。めぐちゃん。でもこれはめぐちゃんが悪いのよ。私以外の女の子にいいようにされちゃって。もっと警戒しなきゃ。分かった?」

「……分かったよ」

「そ。理解してくれてよかったわ」


あいちゃんはティッシュを取り出して舐めていた私の耳についた彼女の唾液をふき取りながらそういった。

私は耳が弱いのか。

耳を舐められるとあんなに変な気持ちになって、卑猥な声を出してしまうのか。

私の知らない私のことが知れたのは良しとしよう。

そう自分に言い聞かせた。


「これでよしっと。綺麗になったわ。それじゃ続きしましょ」

「まだ何かするの?」

「勿論。これからイチャイチャするんだから」

「お手柔らかに」

「勿論」


彼女の顔が満面の笑みになった。

彼女のイチャイチャというのはどういうことをするのか、先程のようなことをするのか、少し彼女を警戒してしまった。


しかし彼女はその後一緒にテレビを見たり、交代でそれぞれの髪をブローしたり、お菓子を食べたりと普通なことをしていた。


そうして過ごしていた私は自然と彼女に対する警戒心がなくなっていたのだ。

彼女のイチャイチャを過ごしていたらカーテンから光が段々弱くなっていくのが見えた。

私は時計に目をやると16時を過ぎていた。


「もう4時か…。そろそろ帰ろうかな」

「えぇ~。もう帰っちゃうの?」

「あまり遅くなると親が心配するから」

「今日は止まっていけばいいじゃない」

「それは…聞いてみるけど」

「やった~。優しいめぐちゃん大好き」


彼女は私の頬にキスをした。

すぐにお母様に電話を入れて外泊の許可を貰った。

彼女のご両親は夏休みが始まってから一度も帰宅していないそうだ。


お手伝いさんが全て家事をしていると彼女は言っていた。

今日も彼女の夕食を作った後お風呂の準備を済ませてから仕事を終えていた。


私たちはお手伝いさんの用意してくれた料理を食べた後お風呂の準備することになった。


「ねぇ、今日は二人で入らない?お風呂」

「はずかしいよ…人の裸見るの」

「いいじゃない。西園寺さんのは見たんでしょー」

「う、うぅ~。虐めないで。そのこと言われると断れない…」

「あはは。だって、一緒に入りたいんだもん」

「…わかったよ。だけどあまりじろじろ見ないでね。私太ってるし」

「太ってないじゃない。私のほうが太って見えるよ」


お互いの体の体形について卑下しているのを繰り返しているうちに段々馬鹿々々しくなり二人で大笑いした。


ちょっと狭い脱衣所で一緒に服を脱いで裸になるとタオル一枚で前を隠しながらお風呂場へ入った。お互いの背中を洗った後、前は自分でやると彼女に言った。


「髪の毛は洗わせてよ」

「それくらいなら」

「やった~」


彼女は私の長い髪の毛を上手に洗ってくれた。

自分の髪も長いから洗うのが慣れている、と彼女は話していた。

私は自分の髪を上手に洗えてるのか、多分洗い方が下手なんだと彼女の髪の洗ってもらいながらそう思った。


「ふ~。やっと落ち着いたね」

「そうだね。疲れちゃったね」


二人で湯舟につかりながらおやじくさいことを言ってしまった私。

彼女は目を閉じながら深呼吸をしていた。


「それにしても、めぐちゃんのおっぱいって、大きいよね」

「え?あいちゃんだって。大きいと思うけど」

「私よりめぐちゃんの方が…ねぇ?」

「恥ずかしいから……じろじろ見ないでっ」

「あはは。恥ずかしがり屋さんだなぁ~。そういうところが可愛いよね」

「もう。揶揄うのやめてよ」

「ホントにそう思ってるよ。可愛い。好きって」

「……ありがと…」

「あ~あ、照れちゃった」


私の反応を見て揶揄う彼女は楽しそうに見えた。

暫く湯舟に浸かりながら会話をしてからお風呂から出ることになった。


風呂上りの牛乳って本当においしいんだよな。

私は毎日飲んでるけれど。

彼女にそう話したら自分も飲むと言い出した。


「ほんとね…おいしい」

「うん。おいしいよね」

「知らなかったわ。これから毎日お風呂出た後はこれね」

「そうだね」


おいしい牛乳の飲み方を彼女に伝授した私は満足していた。

そのあと少しテレビを見ながら彼女の言うイチャイチャを続けた後、私の睡魔に襲われたと彼女に訴えた為寝ることにした。


「一緒に寝よう」


そう彼女は言って私をベッドで寝るよう促した。

眠くて抵抗できなかった私は言われるがままベッドに横たわった。


「それじゃ、おやすみ~」

「……」


私は既に眠ってしまい彼女に挨拶せず落ちていった。


次の日、目が覚めると私に抱き着いて寝ているあいちゃんの姿が。

私は一晩あいちゃんの抱き枕になっていたらしい…。

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