無能な敵役有能な味方役 無能な敵役をざまあする主人公は果たして有能なのか
ざまあ作品も完全テンプレ化しランキングを席巻した現在。
広く散見される流れが主人公が嵌められて十分な対話もなくクビにされ、なんやかんやあって敵役が落ちぶれ主人公は良い環境に移る。
本当は有能だった主人公をクビにすることによる没落劇が大半だが、果たして主人公は本当に有能なのだろうか?
考えても見て欲しい
小さな組織である冒険者パーティでメンバーの役割を把握できていないのは、いくらなんでも敵役の無能化をやり過ぎているのではないだろうか。
現代で考えてみよう。
小さな会社のありえないレベルでの有能平社員がクビにされ、その後会社は取引先から切られ倒産するといった流れだろうか。
小さな会社であれば社長は大半の業務を把握しているものである。
それで通常業務で好成績を上げる社員をクビにすることはぶっ飛んでいる
もちろん税金や法律で専門性が必要なことを完璧に把握しているとは言わないが、だからこそ対策が必要な専門家は絶対に切らない。
老人に理解されにくいプログラマーやシステムエンジニア。
なるほど、切られることも十分に考えられる。
だが待って欲しい。
仮にも有能なプログラマーならば現代であれば独立で十分な稼ぎを得られるのではないだろうか。
小さい会社でしょぼい報酬しか受け取っていない時点で違和感しかない。
さて冒険者パーティに戻ろう。
まずはじめに現代ほどに教育が行き届くことがないのであれば、多少の不理解は納得できる。
しかしそうであったとしても周りと比べることなくクビである。
これが理解できない。
主人公のやっていることがわからない、主人公が十分に主張しない、パーティの理解度が低い。
納得はしきれないがまだ我慢はできる。
しかしある程度有名な冒険者パーティが周りと比較などをしないのだろうか。
誇るのはみっともないという考えがあったとしても、それよりも自分のパーティの力を把握していないほうがより恥ずかしいと思う。
これをそのまま受け入れようとするとパーティ全員コミュ障で周りが把握できていないか、そもそも周囲に他のパーティが存在しないようにしか見えない。
もちろん有能な者を強権的にやめさせることもあるだろう。
しかしそれならば周りも何かしらの行動を起こすだろうし、主人公が有能であるならば何らかの手立てを打つことができるだろう。
コミュ障で主張できないだとか、ギャンブル依存症で雇い主への印象が悪くなるなどがない限り。
そして他の場所でも有能さを活かすことができるならば、それまでそのパーティに固執した理由が必要だろう。
最終的に何が言いたいかをまとめると、
①主人公が有能であるのならばクビにはされない
②仮に有能であったとしてクビにされるのならば、主人公の欠点として挙げる必要がある。
なんの理由もなしにクビにされたり使い潰されるのは有能であるとは言えない。
もちろん想像外のバカというものは現実にもいる。
しかしそのバカであったとしてもそのバカに至るまでの過程があり、思考があるのだ。
例えバカの気分であったとしてもサイコには見えるが理由は理由である。
もう少しランキングに理由があった作品が増えないだろうか。