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第4章 6 真実を知った3人

「ねえ・・・ルドルフが何故ヒルダさんと婚約したのか・・調べたほうがいいんじゃないの?」


ノラが言った。


「ああ、そうだよな。何か裏があるかもしれない。俺達は何も知らずにルドルフを責めていた可能性がある。」


コリンはルドルフの悲し気な顔を思い出し、胸が痛んだ。


「そ、そうだ。ルドルフはいい奴だ。きっと何か事情があったに違いない。」


イワンは自分のせいでルドルフを嫌な目に遭わせてしまったのではないかと不安になってきた。


「それじゃ・・どうやって真実を調べるんだ?」


コリンの言葉に2人は黙ってしまった。


「・・そうだ、メイドの人達に聞いてみるのはどう?」


ノラの言葉にイワンは首を傾げた。


「何でメイドなんだ?」


「女はね、噂好きなのよ。それに多分一番この家の主達に接する機会があるはずだもの。きっと何か真相を知ってるはずよ。」


「でもどうやって聞きだすんだよ?」


コリンの言葉にノラは言った。


「まあ、任せてよ。」




ノラは洗濯物を洗っているメイド達に背後から近づくと声を掛けた。


「こんにちは。」


「あら?あんた誰?見ない子ね?」


三つ編みをしている若いメイドが振り向いた。


「ええ。実は私はヒルダ様と婚約したルドルフの同級生なんです。」


「へえ~ルドルフの友達かあ・・・ねえ、それで最近のルドルフはどう?」


そばかすのあるメイドが尋ねてきた。


「それがため息ばかりついているんです。何故かなと思って・・・せっかく爵位だって貰えたのに・・・。しかもヒルダ様と婚約までしたのに。」


すると一人の眼鏡をかけたメイドが言った。


「・・やっぱり噂は本当だったのかもね・・・。」


「え?噂?」


ノラが反応した。


「あー、その噂なら私も知ってるわ。」


三つ編みメイドが言った。


「え?教えてください。ルドルフが元気が無くて心配なんです。」


ノラは両手を前に組んで頼んだ。


「うん・・・ここだけの話にしておいてよ?絶対誰にも内緒だからね?」


眼鏡メイドが言う。


「は、はい。」


「実はね・・・どうもルドルフはヒルダお嬢様に一生治ることの無い怪我を負わせたから旦那様と奥様に責任を取らされたらしいのよ。」


「責任・・?どうしてですか?」


すると次に三つ編みメイドが言う。


「貴族令嬢ってね・・身体に傷を負うと・・・一生お嫁にいけないって言われてるのよ。ましてやあの左足は二度と治らないらしいし・・・それで激怒した旦那様がルドルフに爵位を与えて無理やり婚約させたらしいの。」


「え・・・?!」


ノラはその話を聞いて衝撃を受けた。


(やっぱりルドルフは・・・婚約したくもないのに・・ヒルダさんに怪我を負わせた罪で・・無理やり婚約を・・・。)


ノラはお礼を言うと、すぐにトムとイワンの元へ向かった。彼らは川の近くで待っていた。


「お、ノラが戻ってきたぞ。」


コリンは言うとノラに手を振った。


「おーい!ノラッ!」


「あ!コリンッ!イワンッ!分かったわよっ!ルドルフが婚約したわけをっ!」


そしてノラは2人に先ほどの話をすると2人は青ざめた。


「どうしよう・・・俺達のせいだ・・・。」


「ルドルフに謝りたい・・・。」


コリンとイワンは交互に言う。


「それよりも・・まずはグレースに話をするのが先よっ!」


ノラの言葉に2人は頷くと、3人はグレースの家に向かった―。



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